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Asplenium novae-caledoniae

Asplenium novae-caledoniae
ニューカレドニア中部の標高600m付近のやや開けた森の中で見つけました。
現地では急傾斜で、ニューカレらしく硬めの赤土。
地面に生えていて地生種と言えますが、ところどころむき出しになっている岩の割れ目やほぼ垂直に近いような土壁に生えていたりします。
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写真を見ると濡れていますが川沿いとかでなく普通に乾いた森。単に雨の中を山登りしていたのでこんな感じに見えています。
川沿いの渓流植物だと勘違いしないように。どちらか乾燥に耐える感じの逞しい系シダかと思います。

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地面に生えている場合はこんな姿。
ところで、この写真の時点でも「うん?」と首を傾げた方がいるかもしれません。
特徴的な細葉なので同種なのはわかりますが結構変異が大きいなとか。
最初のものが大きくなると二枚目以降の姿になるのかなとか。想像されたのではないかと。

傍に生えているのだから同種には違いないが、この差は何を意味するのか。
成長か、栄養条件か、環境か。…まさかまさかの個体差か。
まあ順当に考えれば成長で変化するか、生えている場所で姿が変わるというオチでしょうね。

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大分変な姿がありますね…
もし成長による変化だとしたら、これは先ほどの写真の株で言えば一体どの段階に類するものでしょうね。
中間かな? 最初のものが、この写真のようにさらに葉が細かく分岐するようになり、
その後、
…葉が細くなっていく?

ちょっと、無理がある気がしますね。

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まるで一枚目の写真の株がそのまま大きく成長したかのような株も現れました。
…これで、ただ大きくなれば姿が変化するという線は消えた気がしますね。
成長によって姿が若干変わることはあるでしょうが、それにしたって変化が大きすぎる。
なんなら一枚目と二、三枚目が別種で、四枚目が雑種。五枚目が一枚目の成長した姿、であったとしても納得がいきます。
少なくとも自生地での観察だけではちょっと判断がつかないことかもしれませんね。胞子もついたりつかなかったりですし。

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………いやこれは。
傍に生えていると言っても流石にこれは、別種なのでは?
ロゼット系のアスプレではありますが、流石に今までの傾向と全然違う。葉が広すぎる。
葉幅が滅茶苦茶広いこと以外は全体的に近い姿ですが、それにしたって流石に、
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流石に…
この子まで同一種だってことはない…よね?
どう見たって別種だもんね。

流石にあり得ないかなと思いました。
先ほど雑種の可能性と言いましたが、もし雑種だとしたらこの子と細葉のどれかが別種で、混ざったのだろうと思いました。
しいて言うならニ、三枚目の細葉とこの幅広がかかって一枚目やそれ以外が生まれたのかなと。
さらにある程度の環境幅や成長幅で多様な姿があるように見えているのかと。
断言はできませんがだいたいそう結論付けるしかない。

この幅広に比べたら、細葉たちの方こそ誤差の範囲と言えるでしょう。
胞子を確認したいところですがたぶん胞子はついていなかったんでしょうね。2015年の話なのでうろ覚え。
ここからはまぁ、栽培して確認してみるしかない、という感じだと思います。

というわけで。
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今現在細葉が三株ほど現地株の親株として残っています。
細葉が栽培で幅広葉になる事もなく、姿はそう変わりません。
ちなみに幅広は今いません。つまりはそう言う事…残念無念。
ギュッと詰まった細葉が、強烈に長細くなることも無いですが、まぁ近い変化はするので、個体差に依存するところも若干ありつつも、環境でも少々変動もすると言ったところでしょうか。
ちょっと環境が変わっただけで姿がころころ変わるというタイプのものではないようでした。
尖った個体差であれば集めるのも楽しいかもしれないな、なんて考えて、やっぱり思うのはそう、胞子培養です。
胞子で殖やせば個体が増える事は勿論、個性についても理解が進むかもしれません。
まぁ幅広が出る事は無いでしょうけれど、二回羽状複葉の短いタイプと、三回羽状複葉の細長いタイプがどっちも出れば面白いなとか。
現地で見たような変異幅が現れればいいなと思って結構蒔いてたんですが、まぁこれがなかなか出なくて…という苦労話は置いておきましょうか。
細葉ゆえにカイガラムシが発生しやすくて株が弱りまくったり、胞子用が出たら出たで、蒔いても出ないし、株元からも勝手に出てくることもなかったとか、いろいろあったのですが割愛。

最近とうとう胞子培養に成功した。それでいいかと思います。

2015年にはじめて持ち帰って、2021年にようやく胞子培養株を得る事が出来ました。

Asplenium novae-caledoniae_d0187020_16182125.jpg
うん。

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さぁどうしよう。

僕はどうすればいい?

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なんか幅広い奴いるんですけどーーー!?

二回羽状複葉も三回羽状複葉も、幅広もいるんですけど…

ちなみに蒔いたものは、幅広が消滅している以上細葉のどちらかです。ぶっちゃけとにかく胞子用が出るたびに蒔きまくったのでのどちらかは分かりませんが、少なくとも幅広は蒔いていません。
普通にいますね…
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うーーーん。
とりあえず…胞子を蒔いたら…いろんな個性が出てきました()

現段階で言えることはここまでです。この個性たちが今後どうなっていくのか、
個性そのままに成長するのか、それとも何かのバグなのか。
別のシダが混ざったという事は無いと思います。しかしまぁ可能性は低くても疑われる可能性は少しでも潰していきたい。

私はまだ現地でも幅広タイプの胞子の付き方を確認していません。
栽培でも細葉タイプの胞子の付き方しか確認していませんが、まずはそれを見比べる事が今後の課題になるかと。
出来れば現地での幅広タイプの胞子の付き方も見ておきたかったですが仕方がない…これもいつかの宿題としておきましょう。

流石に幅広タイプは別種だろうと、同種である可能性は低いだろう思い込んでいたのですが、ここにきてまさかの同一の種の個体差である可能性が出て来るなんて。
それがこうもわかりやすく結果として現れるなんて。
いやはや本当に面白い…
2015年に置いてきた謎が、そろそろ忘れかけていた宿題が、この子たちの成長でとうとう明かされるかもしれませんね。


ちなみに栽培についてですが。
親株はビニールハウスで、朝日とメタハラで栽培しています。
照射時間は8時間ぐらい。ですがまぁ割とばらついていました。明るめがいいと思います。
腰水にはしていませんが、腰水にしても平気です。過度の乾燥は避けます。鉢が乾くとへたっ…てなります。
カイガラムシが良くつきます。そして覿面に弱ります。よく観察が必要です。ベニカ噴霧したりスミチオンにどぶ漬けしても平気でした。

胞子培養株は水槽や衣装ケースで育てています。45㎝や60㎝水槽です。LED蛍光灯とかでOKです。
用土は鹿沼赤玉の混合など。黒土焼土などでも試していますが特に用土を選んでる感じはしません。
ミズゴケは試していません。株数が増えてきたらチャレンジしてみるかもですが、用土で十分かなと思います。

高温多湿の狭いケースだと葉が痛んだのでたぶん蒸れには弱いです。温度は15℃~30℃ぐらいを保つつもりで、夏場は蓋を少し開けて蒸気を抜く、オブオブに近い管理をしようと思います。
オブオブ程水切れに弱いわけではありませんが、乾燥させると明らかにしおれますし、葉が傾く以外は見た目が変わらないので気付かずにそのまま枯らす恐れもあり、注意が必要かと。

ざっと書き出すとこんな感じです。胞子培養株は初なのでこれからどうなるか分かりませんが、今年一年どうなるかじっくり観察したいですね。


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別の培養ケース。
右奥に見えるのと手前にちら写りしている単葉のAspleniumは別種です。
細葉と幅広葉が見えますが、こうしてみると確かに細いのも幅広いのも同種っぽいなぁって思って頂けるかと。
自生地で見るとあんなに違うように見えたのに。
シダって本当に面白い。
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滅茶苦茶格好いいじゃん…
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この個性を保ったままそれぞれ成長していってほしいですね…

# by green-2-gleaner | 2022-01-27 15:52

Eugenia bullata

Eugenia bullata
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ニューカレドニア南部の赤土の大地に自生するボコ葉が格好いい木本です。
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南部の森の縁、小さな細流の流れる辺縁で、傍にはギッバムなんかも生えていたり。
今思えば南部にギッバムってちょっと珍しい。

Eugenia bullataは特に水辺じゃないと生えていないという事もなく、森の中でもみかけましたが、個体数そのものはそこそこ。
特徴的な姿なので見つけるときは見つけるのですが、一本ずつまばらに生えていて、しかもだいたい巨大という…
南部の森林を構成する樹種の一つって感じですね。

じつは2012年から栽培しています。滅茶苦茶ちっちゃい実生苗を栽培して、ようやく今60cmほどのサイズ。
たぶん数回リリースしたきりなのではないでしょうか。一回かも?
なんとか挿し木で殖やせないかと挑戦してきて幾度となく撃沈していましたが、1年~2年ほど動きのなかった挿し木苗がとうとう新しい葉を展開し始めたのでご報告を。
親株の枝数がまだまだ少ないので大量生産はできませんが、挿し木そのものは不可能ではないという事が分かりました…たいへん…
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下から出てきたのが新しい葉っぱ。
葉っぱ二枚、枝は2,3節くらいの長さのものを差していたと思いますがまさか一年以上成長に要するとは…
そもそも多くの挿し木はすぐ落葉して失敗しましたし、取り木も上手くいかなかったのであきらめかけていたのですが、落葉しなかった苗をずっと暖めておいて本当に良かった。これで我が家のEugenia bullataは二株です…こ、心もとない!
もっともっと増やして、皆さんにリリースできるように頑張りたいです。
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ココが可愛い。天使。
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親株。ボコボコの姿になってきました。
どんぐりから芽生えたてのクヌギぐらい小さな実生苗からよくここまで来たなぁ…
オブオブ畑で栽培しているので、ここはプチニューカレドニア…いつかの南部の森を思い出せます。
あぁ早く行きたいなぁ…

# by green-2-gleaner | 2021-11-29 12:08

Pyrrosia sheareri オオヒトツバ

Pyrrosia sheareri

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2020年の2月に訪れた台湾で観察したものです。
丁度コロナの影響が海外渡航に影響し始め、中止するか迷いながらの現地入りでした。
何せ出国できるか、入国させてもらえるか、そして帰国できるかわからない。
不安はあれど、まぁ行けたのなら時間がかかったとしても帰る事も出来るだろう…とは思っていましたけれど、いやはやまさかここまで渡航に制限がかかるとは思っていませんでしたね。この時現地に飛んでいてよかったです。

入国でのチェック体制は既に厳しく、観光地での体温チェックもすでに行われていて、日本よりも警戒が厳重だなぁと感じた事を思い出します。

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オオヒトツバは、日本にも自生するヒトツバをやや大きめにして、脈が隆起していたりやや葉縁が尖ったりと迫力ある風貌になるシダです。
台湾中部に行けば結構見られますし、そもそも日本にも山野草などで栽培されていた経緯もあり、今でも昔ながらの山野草屋さんや蘭屋さんがキープしていることもあります。
しかしそうして姿は栽培株で知っているからこそ、実際の自生地を見ると感動するもので、峻険な岩肌にガッチリ這い回り群生する姿は格好良かったですよ。
ヒトツバは、平鉢に岩を置いて抱かせながら栽培したりしますし、やはりオオヒトツバもより大きいですがそんな風に岩に着生させて栽培したいなぁとか思ってしまいます。場所どーすんのよ。

周囲にはモミジヒトツバも見られたりするので、懐かしい友人の故郷にでも訪れたような気分になります。
ドリナリアのフォーチュネイなんかも一緒に自生していますね。

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樹に着生する事もあります。格好いいけれどこの光景にあこがれてしまったら、再現するの大変だなぁと思いながら。

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栽培方法は…と言っても非常に強健で特筆すべきことは特にありません。
ここ関西では年中屋外で、1cm程度の腰水にして栽培しています。用土は赤玉と鹿沼の混合。写真はパーライトも入っていますが別に必須でもなく、ミズゴケでも育ちます。
凍結をできれば避けたほうが良いとは思いますが、実際凍ってしまってもそう影響はありませんでした。
栽培場は完全に囲ってはいませんが屋根があって雨風は直接当たりませんし雪も被らないのでその辺は試していませんが、雨風ぐらいは平気でしょう。雪は避けたほうがいいかも。枯れるほどではないでしょうけれど。
しかしこの美しいモフモフを堪能したいのであれば、雨が当たる事や上から直接水をかけることはできれば避けるのが良いと思います。
毛は大事にしないと剥がれてしまいます。このモフモフした見た目や、独特の白っぽい葉色が堪らない程可愛いので、出来ればこのまま維持したいし、このまま大きな株になってほしい所です。
現地では50㎝ほどの大株になるまであるようですが、それも巨大な根茎とバキバキに張った根の塊があってこそ発生するものなので、ちっちゃい鉢に植えているうちはそうそうデカくなりません。
とはいえ、サイズが限られてしまいがちなケースではなく屋外で囲い不要で栽培できるわけですし、出来ればデカい鉢に植えて、でかく育てて、そして毛を残したまま仕上げたいですね。

# by green-2-gleaner | 2021-11-29 11:41

トロピカルピローモスの栽培について

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かなり昔にかれっくすさんから譲り受けて、ひっそりと栽培しては増やしてたまにリリースしてきたんですけど、最近注目度が上がってきたようなので、栽培方法の方簡単にまとめておきたいと思います。

ところでこのトロピカルピローモス、僕の採取とかではなくて海外で流通していたものでして、正確な産地や種などは分からないのが現状です。
ちなみに海外では『ピローモス』と言う名前でシラガゴケの仲間も流通していますが、それとこの『トロピカルピローモス』はまた別ものです。ややこしいですね。

ちなみに僕が実際に現地で見つけてきたこれによく似た種類のコケを『ボルネオのピローモス』と言う事で何度かリリースしています。よく似ていますが、姿がやや繊細ではっきり明らかに別種なのですが、それがボルネオ島サラワク州産で、どうもトロピカルピローモスの産地をこれと勘違いしている人がいるようで問い合わせを受けた事があります。
トロピカルピローモスは産地不明です。なのでラベルにも増殖株としか書いていません。

トロピカルピローモスの栽培について_d0187020_15434860.jpg
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さて栽培方法についてです。
基本的には水槽や、衣装ケースなどでの密閉栽培を推奨します。蒸し蒸し湿度で大丈夫です。

光はLED投光器30Wぐらいまでのものや、カミハタフラットLEDとかもOK。写真だと窓からの光も含めて明るそうですけど、たまたまです。フラットLEDオンリーのところでも問題ないですよ。魚用の蛍光灯2灯とかでも問題ないですね。

植込みはミズゴケが楽です。用土でもいいですが、根を張ったりするものでもないですし、植え込むも何もポンと置くだけだったりするので、ミズゴケの方が扱いやすいです。
軽石を敷いた鉢に、ミズゴケを入れて、その上に塊のトロピカルピローモスをポンと置く。
もしくは、トロピカルピローモスのカットしたものをミズゴケに挿して綺麗に円形に植えこむとか、そんな感じの植え方になります。
トロピカルピローモスの栽培について_d0187020_15501553.jpg
ミストとか霧吹きはしていません。一㎝程度の浅い腰水にして、ミズゴケがべっちゃべちゃに水を吸っているような状態で管理します。
腰水が無くなっても良いですが、決してミズゴケは乾かさないように。いや、乾かしてもすぐには枯れないんですけどたぶん成長がそのぶん遅くなるかと。
水深を深くしたらどうかわかりませんが、今のところ、鉢底の軽石程度の深さの水深腰水で、このコケが腐ったことはありませんね。

温度は冬場最低15℃ぐらい。夏場は最大30℃ぐらいを目安に管理するといいと思います。多少上下しても平気だと思いますがそこからは自己判断で。
我が家のボーダーは上記を意識しています。
トロピカルピローモスの栽培について_d0187020_15550574.jpg
要するにこんな感じで、伸びては枝分かれを繰り返して玉になっていくわけです。
10本ぐらいを束ねてミズゴケに植えこんで固定しておけば、徐々に球形に膨らんでいくわけですが、あまりにも雑に植えこむと綺麗な玉にならないこともありますね。
伸びすぎたら水草とか、有茎草のようにカットして、先端部分をお好きな数束ねてミズゴケに植えれば再スタートしますし、
カットした根元の部分もそこから新芽を吹くので割とペースよく増やせます。
何処からカットすればいいかはまぁ状況によると思うので、生きていそうな部分でカットしてください。あんまり古い所で切ると発芽しないかもしれませんね。


トロピカルピローモスの栽培について_d0187020_16181034.jpg
要するにこんな感じ。先端部分を飛ばせばそこから脇芽が出て密度の高い球になる。形が崩れたときなどにおすすめ。剪定って程ではないけど、形を整える感じでね。
トロピカルピローモスの栽培について_d0187020_15593295.jpg
水苔が復活してきたり、間に別のコケがはびこってきたら抜いたほうがいいです。形崩れちゃいますからね。
基本的には手間もかからないし、良く増えるし、可愛いしいい種だと思います。
日本はコケが膨大な種類生息しているコケ大国なので、ちょっと水辺に行けば面白いコケは沢山あるわけですが、しかし意外と、熱帯植物と同じように水槽密閉ムシムシ高温でも、形がいびつにならずに元気に増えて奇麗に育つ種類は少なかったりします。アクアテラやパルダリウムに活用しようとすると案外上手くいかない、現地のようにきれいにならない、という経験があるのではないかなと。
勿論そうした中からぴったり合う種類を見つけるのも乙なものですが、選択肢の一つとして、水槽密閉で育つ種としてこういうのもあると覚えていただければ嬉しいかなと思います。






# by green-2-gleaner | 2021-06-23 16:05

Abrodictyum cumingii 20210510

Abrodictyum cumingii
Abrodictyum cumingii 20210510_d0187020_21230704.jpg
上手く栽培できているので久々にブログ更新を。

我が家での栽培環境は、
・60㎝水槽密閉。軽石を敷いた上に置いています
・照明はコトブキフラットLED60㎝のやつを8時間ほど。
・室温は冬場最低15℃。夏場30℃以下を目標に(超える事もある…)
・植え付け材はヘゴ棒。それ以外の方法は試していません。
・水やりは密閉なので殆どなし。ヘゴが乾きそうになったら乾く前に与える。
・霧吹き、ミストは無し
・肥料も無し(数年栽培して明らかに葉が黄色くなってきたら植え替えか液肥などを考えようかな…)

フィリピンはルソン島の北部。バナウェと言う標高1600mぐらいの山の頂上付近の斜面にて、ヘゴに着生している株を見つけました。
その時のブログはこちら、
フィリピンではこれが2産地目。初めてフィリピンに訪れたときに、カヤパの標高1300mあたりのエリアでも見つけたんですが、それ以来懸命に探しても見つからなかったのがここに来て。
産地によると、ヘゴの幹にびっしりライトグリーンの産毛のように神々しく着生する姿が見られることもあるようですが、残念ながらそんな素敵な光景はまだ目にしたことがありません。
こんなに海外に行ってても、ネットで検索して食い入るように眺め憧れたような自生地の姿が見られるとは限らないんですよね…
自生地ではぼろい姿でしたが、持ち帰り、ホームセンターで売っているヘゴ棒を買ってきて、角を削って丸くして、真ん中に窪みを作って、Abrodictyum cumingiiを植え込んで、周囲はミズゴケやヘゴ片を詰めて固定して、ヘゴ棒が決して乾かないように高湿度環境で維持していればご覧の姿です。
最高に美しくなりました…
とは言え同じことをして同じように綺麗になるかは全くの賭けなので、これは本当に難しいシダですよ。上手くいくと綺麗に育ちますが、植込みが成功するかどうかにかかっていますね。
水苔などで栽培もできるのかもしれませんが試していません。試せる程に株数がないというのが一つと、
やっぱり、
ヘゴ着生種はヘゴ付けで育てたいじゃないですか!(ロマン)
Abrodictyum cumingii 20210510_d0187020_21373012.jpg
ロマンだか何だか知らんが現実的で完璧な栽培方法を教えておくれよって言う意見はご尤もなので、増えたら試してみたいんですがまぁこれが増えるようなシダじゃないので期待せずにお待ちいただけたら。
上記の写真は別株で100%完璧に仕上がったとはいいがたい株ですが、まぁ生きています。
何となく成長点が複数ありそうなので株分けできそうですが…割りたくないですねぇ…
ここまで繊細なシダはやっぱり株分けとか怖すぎなんですよ!
これはヘゴ棒につけて、プレステラにミズゴケを詰めて立たせていますね。
ヘゴが乾かないようにミズゴケに給水させて一定の水気を維持しています。
Abrodictyum cumingii 20210510_d0187020_21411068.jpg

日本で伸びた新芽に胞膜がついているとやったぜって気持ちになりますね。
現地よりも元気そうで個人的には大満足の株です。
胞子で殖やす? …増えたらね(目逸らし)

Abrodictyum cumingii 20210510_d0187020_21411139.jpg
葉っぱを切って胞子を採取して、ヘゴに蒔いて…
このサイズのシダのこのサイズの胞膜です。気が遠くなるような作業ですよね。
正直上手くできる気がしないので、自然にこのヘゴの別の場所に胞子が飛んで自然発生してくれたらなと思うのです。
ヘゴの幹を緑の産毛が覆うように、ヘゴ棒いっぱいに茂ってくれたらそれだけで嬉しい。


あまり入手する機会のないシダだと思いますが、もし幸運にも手にする機会に恵まれた方の参考になりますように。

# by green-2-gleaner | 2021-05-10 21:50


あの日見たシダの名前を僕達はまだ知らない。


by ゆう

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