人気ブログランキング |

カテゴリ:シダ植物( 5 )

Aglaomorpha cornucopia

Aglaomorpha cornucopia
d0187020_10352753.jpg
フィリピンはルソン島の中央山脈。標高1500m地点にて発見。
コルヌコピアと言えば葉風空間のチェルブさんがミンダナオで発見して持ち帰られていて、同じく増殖株が何度か流通したことがありますが、こちらはルソン島産。
てっきりミンダナオの固有種だとばかり思っていたので発見した時は驚きました。
調べたら確かにルソン島にも分布しているとある…もしかして新産地発見かと思いましたがそんなことはなかった(笑)
d0187020_10372825.jpg
d0187020_10373596.jpg
d0187020_10373176.jpg
コルヌコピアと言えばやっぱりここでしょう。
根茎から少しだけ茎のように立ち上がり、その先につける葉の基部が器のように丸まるのです。
そして根茎と葉の付け根の部分が元気に発根します。
この器の部分に落ち葉などがたまり、根を張り、養分や水分を得る貯蔵庫となる…
その上、この器の中にはフペルジアや着生木本などが根を下ろし空中庭園のようになるわけです。
立ち上がる根茎と器…まさにワイングラスのような形状。満たされる命の揺籠。だから学名はcornucopia(豊穣の角)というわけで。
果物と花で満たされている羊の角…ギリシャ神話ですよ…
学名つけた人もう間違いなくノリノリでしょ! 好き!
もうこれは聖杯ですよね…。これを盃にして酒を飲みたい。もったいなくて切り取れないから無理だけども!
d0187020_10530698.jpg
大木に着生する自生地写真
d0187020_10540817.jpg
もうその着生するシルエットが格好良くて仕方がないな?
こうやって枝からせり出している葉っぱの一枚一枚が養分を受け止める揺籠なんですよ…なんて生態を魅せ付けてくれるんや…尊すぎる…
ドローンでこの器の中にどんな生命が満たされているのか空中撮影したいわけですが中華製のドローン買おうかしら。安いし。でもハズレが多いらしいからいやだな…

発見したのは偶然で。同行していたえんどーさんがアグラオモルファを採取しておきたいというので採取しやすそうな木を探していたのです。
ルソン島の高地、山頂付近や尾根沿いを走っていくわけですがどこも急峻な斜面で、すぐそばにあるように見える樹でさえ根元に近づくことさえままならないなんてザラなのです。
直線距離で数メートルの木でさえ根元までの落差が十メートルを超えていたり、無理。
なのですぐそばに「あーアリダマがある…」「レカノプテリスがいっぱい…」などと茫然と見上げることも多々あります。届かへんねんって。
マリオなら手が届くかもだけど普通の人類には無理なのです。
そんなわけで、歩いて木の根元まで行けそうなポイントを探していて、ちょうど尾根のようにせり出した場所に生えるアグラオモルファを見つけたんで立ち寄ることに。
近づいてみれば、そこは焼き畑の痕跡。残念ですが、下草が消滅しているので近づくには好都合。
でも近づいてみると、目的のモルファの姿がなんか違う。
根茎に毛が無い…この辺で見るホザキカザリシダはモフモフなのに?
そして気づいてしまった…立ち上がる根茎の根元、器になっているその葉の形に。
うわ、コルヌコピアだ…!
予期せぬ出会いに背筋が総毛だったことは言うまでもありませんね…
その先でえんどーさんが「ベントリもある!」と。見れば樹に巻き付くようにネペンテスのベントリコーサも群生している!
大木には様々な着生植物。もちろんアグラオモルファはコルヌコピアで!
楽園だ…エデンがここにあった…
あったんだ…
少し前までは。


d0187020_11080216.jpg
あー…
踏みしめる下草は炭化して黒焦げ。
馬の背のような尾根をひたすら歩いていけば真っ直ぐ続く焼け野原。
樹はすべて焼け焦げていて、着生植物も熱で見る影もない。

何で焼けているのかと言うと、これは畑を作っているわけで。
こんなに高地とはいえ、山を開墾して例えばキャベツ畑を作っていたりします。日本でもあります。高地栽培ですね。
急峻な斜面なんかどーすんだよ思いますがそれはそれで、何やらつる植物を栽培したりする様子。
ここもその候補地なのでしょう。こういう光景があちこちで見られます。
現地の人の重要な収入源。
所詮よそ者の自分には何も言えないわけですが、すべて。
すべて焼き尽くされて畑になるまで続くのか。
それともどこかで自然林が残るのか。わかりませんけど。
残ってほしいな…ある程度は…
というかこんな急峻な山。樹を全部なくしちゃったら崩れると思うけれど?
畑にするにもある程度樹を残すのは有効だと思うけれど…願わくば。
この大木ぐらいは切り倒さずに残しておいてほしいな。
いやほんとこれないと普通に尾根崩れちゃうよ。畑を作るにしてもメリットあると思うけど?
そういう知識の元開墾しているのかどうかは分かりませんが…
d0187020_11155332.jpg
d0187020_11160915.jpg
とりあえず助けられる限りは救助!
はがされているコルヌコピアの中でも元気な根茎を選別して、
着生植物も火から逃れていると思われている株は確保。
コケシノブも多様に生育していたようで、それらはほとんど干からびていましたけど…
d0187020_11161478.jpg
トウゲシバの仲間とか
d0187020_11182906.jpg
オオカサゴケの仲間とか、掘ったら出てきました。
d0187020_11194257.jpg
セリゲアのグラウカなども着生していたりして豊かな雲霧林だったんだろうなぁと。
d0187020_11202922.jpg
コセイタカスギゴケみたいなのも斜面には生えていた。

ここで採取し日本に持ち帰った株はおおむね活着したのでひとまず焼けて全滅ということは免れた模様。
現地ガイドさんの話によるとまぁこの場所は畑になるだろうし樹は切り倒されるだろうとのことなので、
次来た時にはなくなっている可能性は大。
…まだどこかに生えているとは思いますが、ルソン島でコルヌコピアを見たのはこれが初めてですし、
現地の山のハンターさんも見たことがないというくらいですし、結構珍しいもののハズ。

また出会いたいな…
でもこうして、開墾でどんどん失われていく草がもっとたくさんあるんだろうな、と思うと。
また行かなきゃって切に思います。
というか!
これだけコケシノブがあったってことは目標としているコケシノブもあったかもしれないということで!
雲霧林のコケシノブは開墾による絶滅は無縁だと思ってたけどキャベツ畑になるとはさすがに思ってなかった。
まだ見たいルソンのコケシノブはたくさんあるので、近いうちにまた行きたいと思っています。
ホント…待ってて…









by green-2-gleaner | 2019-05-26 10:57 | シダ植物

Solanopteris bifrons

solanopteris bifrons
d0187020_22155694.jpg
LAさんの南米のアリノスシダ…
一時ナメクジの食害によって新芽が全部やられて瀕死の状態に陥っていました。

非常に成長が早くて、あっという間にバスケットを覆いつくして、ポテトもたくさんできていたのに、
生長点が全て齧られたとたん、古い根茎がどんどん腐っていって玉もダメになって、でも新しい成長点はできなくて…
ここまで来てまさか枯れるのか? と恐怖しましたが、何とか、何とか復活。ナメクジ死すべし。

うちでは、なぜか成長点が発生しにくいです。ほんと。分枝するなら切り分けるのに。成長点がなくなった時の恐怖が忘れられず株分けできないんです。
こんなに普通に育つのに、油断するとがくんと調子が崩れるあたり、意外と曲者ですよね。
d0187020_22155176.jpg
d0187020_22153603.jpg
最初は室内に置いたビニール温室でメタハラ直下栽培していました。
それでもよく育ったのですが、湿度が高すぎてナメクジや小さな貝が湧いてしまった。

今は室内の窓際にそのままぶら下げています。と言っても換気をしているお風呂ぐらいの湿度です。栽培部屋、ですね。
ドリナリアやフペルジアをぶら下げている環境。葉っぱが柔らかいので心配でしたが全然気にせず育っていますね、むしろコケシノブ用の高湿度より調子がいい。
貝類も寄ってこないのでどんどん成長してくれています。このままどこまで育つかやってみます。
増やして増やして、コツもしっかりつかんだら、最後は枝付け着生で遊びたいですね。
現地のあの素敵な姿をぜひとも再現したいです。









by green-2-gleaner | 2019-05-20 22:24 | シダ植物

Drynaria fortunei

Drynaria fortunei
d0187020_21380595.jpg
中国四川省産の輸入株です。
ミズゴケ植でもちろん鉢の上に植えていたのですがいつの間にやらこんなことに。
これぞ着生植物! という感じがしてとても見ごたえがあるような気がします…なんとなく。

フォーチュネイ「鉢植えとは鉢の上だけにとどまるものではないという事さ…」

何とも自由な奴だ…

ドリナリアと言えばシールド。
シールドの役割と言えば、落ち葉を受け止めて腐葉土に変え、成長するための養分にするという素敵生態が有名ですが、
しかしフォーチュネイのこのシールド見てください。落ち葉受け止める気なし。
横向いたり下向いたり、ぺったりと鉢に張り付いています。なんでしょうねこれ、
格好いいだけですね、
働いてないおしゃれシールドですね。
格好いいから何もかもオッケーだけどね!

いやいやそうじゃなくて何の役割があるんだろうなって。
ペタペタ張り付くと言えば、ディスキディアなんかがそうですが、アリの巣になるのでしょうか。
そういう訳でもなさそうで。なんだろう。中国産だし、
乾燥から根茎を守るためとか、寒さから守るためとか?
モフモフ毛深いですしね。

何のための器官なのか。

考えるのって楽しいですよね。
一般的にはこういわれている。という説があったとして、それとどうも異なるような動きをしているとか、見つけると楽しいです。
単に一般の説が間違ってるじゃん! と言ってしまうのではなく、それはなぜなのか考える。
何か理由がある例外なのかもしれないし、実は異なるように見えてやっぱり正解だとか、あるいは本当に間違いであるとか。
想像するのが楽しい。
調べたらわかっちゃうことかもしれないけれど、
調べたらわかっちゃうことだからこそ。今は、
調べる前に考えてみる。そんな遊び。
すでに分かっていることだとしても、自分の知らないことを自分で考えて答えを導き出したならそれは自分の答え。
答え合わせをして、合っていることを確認するのもまた爽快。
d0187020_21513332.jpg
d0187020_21593809.jpg

鉢植え上部にも根茎はあるし、はみ出している部分、切って増やそうかな。
もったいないな…大株に仕立てたいな。
でも四川省産フォーチュネイはもうこれだけだから。
シールドが固まったら株分けしよう。
輸入してくれた中国の業者さんが廃業しちゃったらしいので同ルートでの入手はもうできないし、大切にしなければ。
規制も厳しくなって、中々輸入も難しくなってきたし。
今国内にいる子たちは、大事にしていかないとね。




by green-2-gleaner | 2019-05-19 21:55 | シダ植物

Asplenium bipinnatifidum

Asplenium bipinnatifidum


d0187020_21583226.jpg















フィジーのタベウニ島より持ち帰った小型のアスプレニウムです。
標高1000m以上の雲霧林の、コケに覆われた樹幹や、細い枝などに着生し群生しています。
葉っぱの全長はおよそ五センチくらい。現地の長い株で10㎝くらい。大きなものはヒノキシダに似ていますが、栽培株はそれをぎゅっと縮めたような姿になっています。そして一応ロゼットタイプ。
一応と書いたのはこれが非常に多くのランナーを生じ、そこから次々と無性芽を生じさせ、まるで根茎が張って成長しているかのように群生するからです。
d0187020_21584811.jpg















こんなふうに。
見た目がヒノキシダと言いましたが、ランナーは葉先ではなく株本から延ばします。
ほんとポコポコ無造作に無性芽を生じさせるので野放図な姿になってしまうのが玉に瑕ですが、うまく又釘などでよい位置に誘因して仕立ててやると美しい群生株に仕上がります。
昔コルク板に着生させたときは、あちこちに無性芽を着生させてかなり格好良くなりましたね。活着性能も悪くない。
こんな見た目ですが栽培は容易。ミズゴケ植えにして密閉容器、ビニール温室、ワーディアンケースなどでやや湿度を高めにしてやればどんどん育ってくれます。

d0187020_21592306.jpg














d0187020_21592700.jpg
















繊細でとても美しい姿です。
フィジー産ですしあんまり耐寒性などは期待しないほうがいいと思います。
あんまり暑がっているところも見たことがないので、クールタイプというほどでもありませんね。
この姿で丈夫とかとてもよろしい…
d0187020_22004745.jpg


















ちなみに現地の姿はこんな感じ。
…え、全然違うやん、と思われたかもしれませんが、こうなんです。同種なんです。
実はこの種、かなり個体差があります。
元々二形の葉を持つ上に、繊細なものも、大味なものも、大柄なものも、とても小柄なものもあって、
そのうち特に好みのものを持ち帰って来たのが栽培株で、
今となって思えば極端な形状を何種類か持ち帰ってくればよかったなと思います。

d0187020_22212619.jpg


















お分かりになられますか…同じ根元から異なる二形の葉が出ているのを。
一つはまんまヒノキシダ。けれどその株本から生えるちょっと大味な感じの葉は?
別に胞子葉と実葉とで別れているわけでもなく異なる葉なんです。テラトフィラムの幼い奴みたいですが、どうも幼いとこれになるというわけでもなく。
だって幼株表現なら無性芽から出るのはこちらなはずですし。
不思議。というか再現できないので何なのか分かりません。困った…意地でもこの表現出してみたい←

d0187020_22262011.jpg














d0187020_22262567.jpg
















うちの大株さん。
長年育てていますがこんな感じの姿にしかならない。変化してくれない。
現地の姿と見比べてもより繊細だなぁと思いながら、よい株を持ち帰ったつもりですが、
しかしながらもしかするとこいつの本当の性能をまだ理解していないだけかもしれない…
2014年に採取したので、ゆうに五年付き合っているわけですがまだ完全には心を開いてくれないのか、
それともこの子はこういう表現ということでよいのか。


あああ~~~~返す返すほかの表現の子も持ち帰ればよかった!


全部同じ表現になるなら姿が栽培環境によって変動するとわかりますし、
変わらず個性が残るなら個体差だと断言できますし、
いや、何株か持ち帰ったけど好きな個体以外リリースしちゃったんだったか…さすがにちょっと覚えてませんが、
輸入当時の株まだ残している人いるかなぁ。

d0187020_22324423.jpg
















d0187020_22323386.jpg



















もっと大株にしたり、屋外の温室で育てたり、
いろんなパターンを試してみたいです。
持ち帰って来た株の写真が二種類残っていましたが、しかしこのどちらだったにせよ、まだその現地で出会った時の域には達していない気がするのです。
5年…ゆうに5年。されど5年。
まだまだ楽しませてくれそうじゃないの…
おらワクワクしてきたぞ…
…いやもうそろそろ本気出してお願いします…

もしもこの表現が、
個性ではなくこの種に共通し魅せてくれる多彩な表情だとしたら。

育て方を工夫して、いつかすべての貌を網羅したいものです。
…うん。もう少し大きく育てれば一つ違う表情を見せてくれそうな気がしてきた。
頑張ろう!







by green-2-gleaner | 2019-03-09 22:41 | シダ植物

Drynaria rigidula


d0187020_17333865.jpg
Drynaria rigidula
フィジーはタベウニ島のドリナリア。
やっと王冠に近づいてきました。やはり屋外温室で育てるとシールドをつける速度が段違いすぎて敗北意識。
室内人工照明栽培でこうしたかったんだけどなぁ。

随分ご無沙汰しています。久しぶりの投稿ですね。
屋外温室も第二温室まで稼働し始め、それなりに設備も充実してまいりました。
厳しい冬を超えてそろそろ諭吉を吸い上げ続けた暖房設備も切ることができるか…灯油、本当にお金がゴリゴリ飛んでいきますね。
一週間に3400円ぐらい。一か月に一万円ぐらい?
まぁ計算しやすい金額だし、チェルブさん所とかよりはだいぶ安い気もします。
その辺やっぱりポリカ効果とか、断熱に気を使った構造になっているのが生きていると思いたい。
単に容量の差かもしれないけれど。向こうのほうが広いからなぁ…
d0187020_17334338.jpg
d0187020_17334726.jpg

d0187020_17335116.jpg














これらも胞子増殖を計画中です。
フィジーはまた攻めたいところですがタベウニはその中でも割高になりがちなので、
今後もいつ行けるか分かりませんし…また行けるのかなぁ。
そんな場所の株は特に大切に増殖に努めていきたい。
幸いドリナリアについては割と芽吹けば早いので、数年ぐらい手塩にかければ結構増やせそうではあるけれど、需要があるかは知らんです。
もうちょっと手軽にこの形に育つといいな。
涼しげな葉、美しいシールドの葉脈。リギデュラ大好きです。












by green-2-gleaner | 2019-03-09 17:46 | シダ植物


あの日見たシダの名前を僕達はまだ知らない。


by ゆう

プロフィールを見る
画像一覧
更新通知を受け取る

カテゴリ

まえがき
採取記録(旅の記録はこちらから)
コケシノブ科一覧
渓流植物
水生植物
着生植物
乾燥地の植物
シダ植物
フランシー情報
栽培方法等
New Caledonia採取植物リスト

検索

最新の記事

天下一植物界お品書き
at 2019-06-10 13:34
Trichomanes sp..
at 2019-06-07 19:34
Pleuromanes pa..
at 2019-06-07 19:04
Aglaomorpha co..
at 2019-05-26 10:57
Solanopteris b..
at 2019-05-20 22:24

KokeShinoBu-log

フォロー中のブログ

LIFE+aq→
A.P.A
RAIN FOREST
雑草好きのブログ
アクア爺
しだ撮り歩き

その他のジャンル

ブログパーツ

外部リンク

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

自然・生物
旅行家・冒険家

画像一覧