石垣で見た植物
あんまり場所を特定されそうな情報とかを漏らしたくないのでテンション低い文章になっていますけど一旦こんな感じで行きます。

ごくたまにいる個体。胞膜が先端に寄らず、ソテツのように真ん中ぐらいまであるんだけど、ちょっと内側に行く。葉は立ち上がり気味で見た目はソテツとの中間ぐらい。葉っぱも長くなるし大きい。でもやや偽サキシマ寄りの外見。

これはフィリピンのCephalomanesで、昔Cephalomanes javanicum var. sumatranumとしてリリースしたことがあるのですが、胞膜の付き方はどちらかというとスマトラナムではなく、偽サキシマに近いものだということが今回の旅で判りました。
ネットなどに流れているサキシマホラゴケの断片情報や少ない実物写真などを見つつ、10年ぐらい前に石垣に訪れた時の写真を見返していると似たようなCephalomanesを撮影していたのです。
サキシマホラゴケは西表にしかないはずなので、何で石垣に?となったので急遽行って確かめてみることにしたのです。
すわ、あるじゃん。どれどれ、胞膜の形はどうなっているかなと確認してみれば。
先端に集中する胞膜の付き方はソテツホラゴケと別物ではあるのですが、しかし反り返ってはいません。
サキシマホラゴケは胞膜が反りかえるもののはずなので、これはサキシマホラゴケとは言えません。
でも絶対ソテツホラゴケの外見じゃない…え? ナニコレ。
でもサキシマホラゴケとはさすがに言えないんだけど…
見比べれば全体の雰囲気からして全然違うのが伝わるかと。
なんなら西表島のとちょっと雰囲気が違う気がするのは一旦スルーで。
石垣島であちこち探してみたのですが結局見つかったのは胞膜の反り返らない個体ばかりでした。
真サキシマホラゴケと言えるものは何一つ見つからず、サキシマでもソテツでもないホラゴケだけが見つかる始末。
で、これは何なのか?
じつはこの形態のCephalomanesもかつてはサキシマホラゴケとして紹介されたことがあるらしく、中池さんと言う方の著書『日本のシダ植物図鑑』『新日本植物誌シダ篇』の中ではこのタイプがサキシマホラゴケとして掲載されているそうです。
という訳で呼び名としては「サキシマホラゴケ sensu 中池」中池さんが使用する意味でのサキシマという意味みたいです。
ただ、サキシマホラゴケという和名がつけられた植物のスケッチは明確に胞膜の先端が反り返るものであるため、実際に「サキシマホラゴケ」と呼ぶならばそちらが適当であるという事にはなります。
これが「サキシマホラゴケ sensu 岩槻」今回見つけられなかったタイプですね。
現状はこのようにとらえておくのがいいみたいです。
ともあれ、サキシマホラゴケという名前で呼ばれてきた来歴はあれど、結局正しくはサキシマホラゴケではなく、例えばこれがサキシマとソテツの雑種(もしくは雑種由来の何か)なのか、それとも別種なのかということまではわかりません。いつの日か、研究が進んで紹介される日が来るといいなぁと思います。
それにしても。
自分の好きな分野の植物で、さらに言えば自国内でこうした謎に出会えるとは全く思っていなかったので、本当に面白い!
調べつくされていると思いきや、まだまだ、実はまだまだこの世界は謎に満ちているってわけなんですよ。

…雑種っぽくなーい? と思うモノの、現状は思うだけ。遺伝子を調べるとかそういうのは僕の手には余ります。
ただ胞膜の付き方のバランスだけ見ても、この偽サキシマの中に、典型的な偽サキシマの付き方と、なんかすごいソテツホラゴケの影響を感じる見た目の偽サキシマの二通りある気がして、とってもやばい香りがします。とんでもない沼があるのでは?
そのうえで本物のサキシマが西表に居る…
なんて思うと、本当にサキシマホラゴケというものを何としても見たい気持ちになりますが、残念ながら今回散策できたエリア内では見ることが出来ませんでしたし、そもそも多くの登山道では現在入山規制・事前申請が必要などかなりややこしくなっているので、どこにあるか分からないシダを探すのは恐らくかなり困難になっているのではと思います。登山道脇に普通に生えているものでもないでしょうし…普通に許可とってガイドお願いして道中に探しても見つからないんだろうなぁ…無念です。
こうなったら台湾やフィリピンで真サキシマと言えるものを探すしかないのかもしれません。

反り返ってはいません。
ひょっとしたら真サキシマも探せばどこかに…あるのかもしれませんね?
ただ、ではフィリピンこれはきちんと石垣島のと同じなのかと言えば、それも実は疑問です。
非常によく似ているとは思いましたが、微妙に色合いや質感が異なっていて完全に同じだなと思えず、感覚でしかありませんがなーんかちょっと違う気がします。
Cephalomanesは最近論文が発表されて、海外の種に関して多く整理されたのですが、しかしこの辺りの種については触れられていませんでした。まだまだ多くの謎が残されている気がして、ドキドキしてきませんか?
探せばまだまだ変なものが出てくる気がします。
植物って楽しい!
さて、すっかりCephalomanes紹介になってしまいましたが、他の石垣の植物の紹介も。
マメゴケシダ
小指の爪より小さなディディモグロッサム。渓流沿いの岩などに生えます。
10年前の自生地は土砂で埋まり消失しておりこれは見つけられないかな…と思ったものの別の場所で生きていて本当に良かった。
胞膜が付いていなかったのとまだ調べられていないのであれですが、ホソバコケシノブは近年三種類ぐらい名前が分けられたようで、その何かに当たると思います。
本州で見るタイプよりだいぶ控えめな姿をしていますね。
ヒメチヂレコケシノブ
海外だと割とよく見るのですが日本だと本当に稀です。
みれて本当に良かった。やはり美しい姿をしています…
マメホラゴケ
このサイズで最大。とても小さな種です。
それにしてもマメホラゴケにマメゴケシダに大変紛らわしいです。解っていても時々混同します。
石垣島にも生えていました。しかしかなり数が少ないです。
湿度か水分量が足りてない感じがします。
ナンバンホラゴケ
石垣島で色々調べていて見つけてしまった個体。
日本国内だと本来西表にしかないはずなので、ひょっとすると誰も知らない新産地かもしれません。もしそうなら大発見かも
西表にしか生えていないとはいえ、隣の島なわけだし、あったらいいなぐらいの気持ちでチェックしていたら本当に見つけてしまったんだもの。
もう下山直前の時間帯でろくに探せなかったものの、血眼になって周りを探したのにこの一個体しか見つからず、他に見つけられなかったのですが、どこかで群生していたら嬉しいな…また訪れて探さねばと後ろ髪を引かれながらも山を下りました。
ちなみに、学名のTrihcomanesですが、昔はゼニゴケシダやマメゴケシダなどにも充てられていたり、マレーシアのブラシのような姿のものをTrihomanes meifoliumと呼んでいたりしたのですが、ゼニゴケシダ、マメゴケシダはDidymoglossumに。マレーシアのはAbrodictyumに属が変わり、現在アジア圏ではTrichomanes属はほとんど存在しないという状況になっています。
勿論南米などには多いんですけど、アジアには現状ほとんどない…その殆どないうちの例外の一つが本種だったりします。
見た目はオニホラゴケにそっくりなので、昔はオニホラゴケと同じ属に入れられていたものが今では分類が進んで全く別の属を当てはめるべきとなっている…
10年ぐらい前に西表で出会ったときと違う名前で、しかも別の島で再会できてなんだか感無量ですよ。
石垣島で見つけたコビトホラシノブ
…コビトホラシノブがおまけって。僕はもう昔からずっと、コビトホラシノブは幻のシダだと思ってましたよ。一つ一つ丁寧に喜びを描写したいところですが、国内の珍しいシダなので淡々と記録しておきます。
しかしこれで西表、石垣、そして昔見た奄美の三島でコビトの自生地を見ることが出来ました。西表では二か所です。正直見つかると思ってなかったので大戦果です。
短期間でしたが本当に恵まれた旅でした…
by green-2-gleaner
| 2026-02-14 04:18
| 採取記録(旅の記録はこちらから)

あの日見たシダの名前を僕達はまだ知らない。
by ゆう
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