キドニーファーンTrichomanes reniforme

Trichomanes reniforme
ニュージーランド固有種。世界的に見ても奇々怪々なコケシノブで、たぶん広い目で見て一番有名なコケシノブ科植物。
ニュージーランドのPR動画なんかにもよくチラ見する真っ事美しい植物です。

…ところで、前回の記事にて

「これがコツだ!」と今断言することはできませんが
たぶん今度は大丈夫。

増殖させてその増殖株を提供できるように頑張ります
…とか、
勇ましい事を書いているどっかの誰かが居たことはご存じだろうか…なに、ご存じない? それはいい。ぜひそのままの君で居て。ご存知の方は玄関先までMI…専門のスタッフが該当の記憶を消去しに伺います。


2015年現在…、
某KSBが「キドニーファーンの増殖株だぜ!!!!」と大々的出品をドヤ顔でぶちかましていないという事は、つまりはそー言う事なのだとお察しください…
確か採取者のSnowdrop様にも「これでダメなら諦めます」とか前回言っちゃった気がしますが…そう。
恥も外聞も無く、涙と鼻水を垂らしながら、再挑戦なのでありますよ…!!!!

このままだと、いつか時を経てニュージーランドに降り立ち、いざキドニーファーンたちが住まう隠れ里に訪れようとしても、周囲に立ち込める濃い霧の結界に惑わされて彷徨い歩いた揚句、いつの間にか森の外に追い出されてどう足掻いても里に辿り着けないなんてことになりかねないので…「やはり…許しては…もらえまいか…(遠い目)」なんかこの子たちってそう言うエルフ的な神秘を揮えそうな雰囲気在りますよね。それでもせめてもう一度貴方に一目逢いたいの…そのためには。
なんとか、栽培を現実のものとしなくては。


では。書き記していきましょう。
私的な考察、栽培メモですが…願わくば、次こそはあの夏を越えて。嗚呼ドニー。君と共にその先へと辿り着くため。
或いは。
それが私の株でなくとも、これを読んだ誰かの手元でそれが成されることを。



前回は…

衣装ケースの密閉にて栽培していました。
マンション住まいでのチャレンジ。室内クーラーは無し、その時点である意味無謀ではあるのですが、それでも前回の記録で自信満々だった理由は水槽クーラーを導入したから。
実験したのは、
・水槽クーラー+人工照明栽培
・朝日だけが差し込む窓際栽培+冷房設備なし
とにかく、『冷やして栽培する』ことと、『太陽光で栽培する』の二点。
前々回の失敗で『暑さでダメだったんじゃないか?』と『光量が足りなくてダメだったんじゃないか?』と言う二点を踏まえた実験です。コケシノブは割かし光好きで太陽光だと良く育つ子が多いのと、キドニーファーンの自生地は最高気温が25℃ぐらいと言う比較的涼しい環境だからです。
この結果、窓際のほうは生長が見事に止まり、動くことなく衰弱、水槽クーラー栽培は長く維持できましたが慣れない冷房密閉栽培であまり良い栽培環境を維持してやれずダメにしましたが、新芽を続々と出して驚きの成長を見せてくれました。
動きだすと早いのだなと思ったものです。ちゃんと環境を維持できれば、これで行けるかも…と思った次第。とは言え冷えて乾燥がちになっていたり、結局光もある程度重要らしく、温度と高光量とのバランスが難しい…
けれど。
ぶっちゃけ。
部屋丸ごと冷房して光もそれなりに強いLEDを照射して小まめに世話が出来れば、普通に育っちまうんじゃないかと思いました。物量作戦…! うちはメタハラがそろそろ二桁に届く台数ぶら下がっているので30℃にを越えないようにするので精一杯ですが、栽培環境にこだわる趣味家さんの栽培部屋なら普通に行けちゃうんじゃないかと思わなくもないです。なんかこう、部屋を25℃~28℃ぐらいに保って、キドニー専用の大型水槽でも用意して、底上げしてミズゴケ敷き詰めて一日一回ざぶらぶと水をあたえてちゃんと底に溜まった水は抜いてとすれば育つ気がする…実際どうかはわかりませんが、ドニーさんって、ホントはこんなに気難しい子じゃないと思うんです。育つ人のトコロではすくすく育つんじゃないかなぁ…



現地を想うと…

年間でも、最高気温が25℃で最低気温が15℃ほど、と言うのがとんがっています…が。
しかし気温だけ見ればクール植物って言う程の気温でもない…涼しいのを好む山野草、と言ったトコロではあります。花なら夏に山上げするとかそんな風に対処する感じかも。
25℃を越えたら全くダメという事は無いでしょう。成長は止まっても30℃とかまで耐えそう…(と言うあくまでも予想!)ですが、そもそも「成長が止まる」と言うのが怖いのです。底から再スタートを切るまでにダメにしがち。なので、28℃ぐらいはなんとかしたいかもな…
夜温をきっちり下げる方法で対処できるといいけれど。
昼間は30℃に達しても、夜はクーラーでしっかり冷やす。かつ、鉢内にこもった熱をちゃんと冷たい水で洗い流し根を冷やす。そんな山野草的な夏越しが通用すればそれに越したことはない…雨も多いみたいだし、ざぶざぶ水を与えるというのはこの辺の理由もある。
自生地の姿を見る限り、
荒々しい木の肌に苔の補助も無く着生していたり、溶岩石じみた多孔質の岩の隙間に生えていたり、そもそも低地で海沿いだったり風も強かったり、開けていて陽射しも差していたり…
凄い環境だ。
じめじめと陰湿な場所に生える植物なんかじゃない。
状況だけ見ればウチワゴケレベルの自生環境に思います…ならば。
なーんかコツを掴めば道が一気に拓ける気がする…そう思えてならんのです…
他に何がダメそうだろう。密閉栽培との差異。

通風もありそう。ううむ…
あと、停留水がダメとか。雨が多く、裸出した場所に生えるという事は常に新鮮な水があるという事だろうし。それが理由なら腰水がダメなのかもしれない。ざぶざぶ潅水したい理由その二。
湿度よりも新鮮な雨を降らすことが重要なのかな。
光は…どう見ても明るい場所だし、温度との兼ね合いで出来る限り強くはしたいなやっぱり…

さらにさらに。
聞くところによると腐葉土にも生えるといふ…確かに落ち葉のマットから映えている写真も多い…そんなコケシノブ知らない…! どう考えても強い植物です。生える場所を選んでいない。
つまり、
全体的な環境が大事で、その環境があればどんな場所からでも生育しうるという事。
やはり、涼しさとか、降雨量とか、その辺がネックになりそうだよな…
カタチ的にも、なんか水を受けたがっている気もするし。あの特殊な形が全てのカギを握っていたのだ、とかだったら萌える。いや燃える。

生育期と休眠期がある可能性もあるので、とにかく長く環境を維持することもポイント。
例え傷んでも諦めない…! 巫女シダ様を思い出すのだ…!


そんなわけで、今回押さえようと思っているポイントを列挙すると、

・光量は強めの人工照明
 …太陽光だと私の設備では熱くなりすぎる。出来るなら朝日が良かったけれど。
 …前回蛍光灯で夏までは栽培できたし、新芽もバンバン出たし。
 …そうさ、今の俺たちにはLEDがあるじゃないか!!!!

・出来る限り涼しく
 …水槽クーラーで根元を冷やす。
 …室内クーラーで夜温を下げる(昼間はどうしても暑い…30℃位)。

・という訳で二通りで行く…!

 …水槽クーラー稼働・LED20w二灯・相変わらず衣装ケース栽培。
前回より光量アップ。水はざぶざぶやって根元に悪い水が溜らないようにする。腰水にしない方針
これで育てばみんなマネできるね。

 …室内クーラー常時稼働(でも30℃には達する…)・メタハラ・空気循環
うちの最終兵器。コケシノブ専用温室さんです。ほとんどのコケシノブが上手くいってます。光量は多分十分。空気もファンで回しています。水やりはざぶざぶ出来る。ただし温度が衣装ケース栽培よりも高温になる。30℃前後の昼間温度。ただし夜にはきっちり冷えるはず。
むしろこれで育たないとお手上げ。また別のアプローチが必要になりそう。
メタハラ増設しているので思ったより高温になる可能性はあるのが怖いトコロ…専用栽培場とはいえ、まだまだ完全なクール対応には至っていません。


用土はミズゴケ植え。ちょっと細かいベラボンを混ぜています。
小山っぽく植えて、広い鉢に。根茎が伸びても大丈夫なように!
前回絶好調の生長点の先端が鉢に当たってそこで止まったので(おもいだしただけでしにたくなる)
…鉢に当たったせいで止まったのかどうかは解りませんが、万難は排して挑みたいので…小さい方が管理はしやすそうだけれどね…素焼き鉢とかで冷やすのも効果があるのか…?


大体こんな所か…
本当に、此奴は上手く育てたい。長く育てたい。自分の手で増やしたい。
私は植物が単に好きなだけで実際のトコロ栽培下手である事は自覚するところ…。だけれどこうして考察を重ね、調べ、理解を深めることで答えに辿り着けたなら…それは「よく解らないけれどうちでは簡単に育つよ」と言う方の意見よりも”育てられない人にとって”の福音になるはずだと頑なに信じて挑戦を続けたい…上手く育てられないなら、上手く育てられるまで必死に努力し続ければいつかは届く。届かなくてもこうして書き留めれば誰かに届く。そして誰かが届く。そう信じる。

天才は教師に向かない。
勉強ができない人間の方が、出来ない癖に出来ないなりに出来るまで、出来る人間に追いつこうと追い越そうと努力した人間こそが何かを教える能力を持つ。…だから。

上手でなければ下手でいい。ただし、あきらめない。
上手でも下手でもいい。とにかく、自分にできることのすべてと、誰かに出来る事のすべてを。
私が実現させたい。けれど誰が実現させてもイイ。その方法を真似て、私もまたできるようになろう。それでいい。道は一つではないがゴールはひとつ。

私の手元で、美しく育つこの子を見たい。

…楽しい栽培の時間だ。みんな頑張ろう!






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ここまで写真の一枚も無いとはどういうことかと思ったので。

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コケシノブ温室用。

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衣装ケース用。
衣装ケースの方は徹底して冷やそうとしているね…


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新芽…これは、積極的な動きは期待しない…(うそきたいしてる)

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葉の付け根に何やら動きが…こっちを期待したい。
付け根から出て来る…新しい根茎だといいが。

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伸びた根茎の最先端。先端部はダメになっているけれどその一番手前に緑の動きが。
一番勢いのある先端部だ。ここも期待できそう…葉っぱかな。

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健全な芽は健全な根から…根がバンバン動いています。
採ってきて植えつけてすぐに動くのは、環境や用土や管理が優れているのではなく採取者様の腕前であり功績です。
キチンと採取された株は現地の生育の勢いを残します。だからすぐに根が動いたり芽が出る。栽培環境や管理の結果が出るのは良くて数か月先。体力のある子なら半年以上。それが過ぎた後なお、現地の生育の勢いをそのまま減速せずに維持しさらに加速できるかにあります。難しいですね。長く育ててみないと、解らない事です。


それにしても…根か。
しっかり根付けば強いけれど根付くまでは難しいという可能性もありますね。
コケシノブにしては激しそうな自生環境で、かつあれだけ生育旺盛なように見えるという事は、もしかしたらとても代謝が良いのかもしれない。
葉の表面積も広いし、根づいている状態ならともかく植え付け直後では葉っぱを半分くらい切った方がいいという可能性も…
という事で一部の葉をカットしてみました。これも吉と出るか凶と出るか…

コケシノブ温室のほうはすでに根が動き始めたのでカットを免れています。現状一番元気なのは温室のほうで冷やしている方は動きがない。まだ暑くなり始める前。今頃ならクーラーは未だいらないという事かな…
これでもし。
夏に入って温室の子が弱ってきて、クーラーの子が現状維持だとしたら、
夏を超えた時点で温室に移せば生育が良くなるかも…と言う希望が生まれますね。夏越しさせるためにしっかり冷やすけれど、夏を越したらもっと贅沢な環境に移す。疑似的山上げ。
…贅沢な方法だなぁ…
でも、何かしらの方法で、たとえ偶然でも、先ずは上手くいくと嬉しい。
とにかく、今一歩先に進みたい。
少しでも先に。僅かでも前進したい。
とにかく前へ。限界まで指先を伸ばして。

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とどけっ!
by green-2-gleaner | 2015-07-04 00:58


あの日見たシダの名前を僕達はまだ知らない。


by ゆう

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