ニューカレドニア採取Trichomanes tahitense(ゼニゴケシダ)

Trichomanes tahitenseゼニゴケシダ
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2010年11月に採取いたしました。
Trichomanes(Didymoglossumマメゴケシダ属) tahitenseです。
和名はゼニゴケシダ。日本の南西諸島にも分布し、アジア、他の太平洋の島々にも分布するコケシノブ科です。
こちらはニューカレドニア産。
…そう書いてしまうと如何にも珍しくない植物のように感じますが、それは実際探してみるまでの話。西表島やその他にも生育するとは言え非常に稀産。日本で多産な場所はかの尖閣諸島の魚釣島とのことですがまず今後とも上陸不可能でしょう。ヤギによる環境破壊の憂き目にあっていなければ良いのですが…
ボルネオなどでも実際捜索はしたもののまず見つからず。
ニューカレドニア採取の一回目でも、惜しい場所まで辿り着くも見逃しておりました。

本種を一度も見たことのない人は、まず同様の環境に大量に生育するミズゼニゴケに惑わされるとおもいます。
今回ようやく発見。
全くの偶然です。

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こんな沢沿いを登っていく途中、手にかけた一つの岩一面に這い回るゼニゴケシダを見つけました。

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すこし離れればこんな有様。この岩に張り付いているのですが、流し見で探しては絶対に見つけられません。
岩を舐めるように調べて周ってようやく見つかるレベルです…

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コレはミズゼニゴケ…こんなのがたくさん生えているので物凄く探しづらい。
ゼニゴケシダの生える岩にも、水際はこれが生えています。…何の冗談でしょうか?

産地はウーライユからウァイルに抜ける峠道の途中。標高400m付近
一部の地図にも記載されているちょっとした滝をさかのぼった先にありました。
この通りに探せば大抵産地には辿り着けるでしょうが…さて見つかりますかな?
先ほどの写真の中、ゼニゴケシダが生育する岩は一枚限りです。
上流にも、ゼニゴケシダは存在しませんでした。

かつ、運よく見つかったとしても…採取が出来ません。
根茎がとんでもなく折れやすく、しかも葉に根が集中するので、運よく根茎を剥がしても葉を基点にぽっきりと折れてしまうのです。
ヘラやナイフでも根茎を傷付けてしまいます。新芽など摘もうものならその時点でアウトです。運よく剥がせても折れてしまうので一センチ未満の根茎…コレでは到底育つべくもありません。
一時間近く水に浸かりながら試行錯誤してようやく纏まった数を採取する事ができましたが…大株を綺麗に傷付けずに採取するには並々ならぬ集中力が必要になります。

と言うよりも。
天国に一番近い島、ニューカレドニアにまで来て海ではなく山に登り、苔ともシダともいえないキミョウな植物のために水に浸かりながら小一時間も岩にへばりつく…には。
集中力とか根性とか根気とか、そういうのとは全く別の何かが必要になるような気がしますね。
何か…とは言いませんが。
このブログを見てニューカレドニアに行かれる方がいらっしゃいましたら、ぜひこんなアホな旅行だけはしないほうがいいと思います。

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でも、そんなアホな旅行をしてまでも、ゼニゴケシダは見たかったんです。
解る人にはきっと解ると思います、この余りに特殊な形状のコケシノブ科を。
こんな面白いシダはほかに類を見ないと思います。
そして、新芽を見れば案外綺麗だったりします。

ちなみにその後、パニエ山系の渓流沿いを登った場所でも(標高50m地点以降)樹上着生のゼニゴケシダなど多数確認いたしました。
パニエでは個体数は多かったです。
ウチワゴケやハネゴケの仲間と同居していて、それは魅力的な景色でした…

現在は準備中ですが、採取株も数株お出しできそうです。
また、栽培においては…これが意外や意外。物凄く調子がいいです。
持ち帰って一ヶ月になりますが、すでに根茎が伸び、軽石の板に着生しているものもあります。
新芽のない株も多数ありますので、それが新たな根茎を伸ばし始めるのならばもう心配はないのですが、しばらくは様子見をいたします。
栽培方法などは追って報告を。
しばらくお待ちください。

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追記:

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おかしい。
何だこれは…滅茶苦茶強靭じゃないですか。

間違いなくコケシノブ科の中で最強です。ちぎれ落ちた一センチほどの破片がミズゴケやら赤玉やらの上に落下したのをうっかり放置したらそこで成長を続けるぐらい強靭です。
きちんと植え付けても枯れる全身全霊で世話しても弱るコケシノブ科では考えられない性能…
最早ウチワゴケかアオホラゴケ並。或いは凌駕しているかもしれません。

大量増殖させた暁には、「コケシノブ科の入門種です!」とか言って出しても問題ないくらいには、乾燥にも蒸れにも耐えます。ちょっと予想外。
水が滴るような場所でも枯れる様子がございません。
水をやり忘れて軽石がからからに乾いていても新芽はみずみずしく成長を続けています。

美しく、奇怪で、栽培容易。これはとてもいい植物です。
by green-2-gleaner | 2010-12-14 18:54


あの日見たシダの名前を僕達はまだ知らない。


by ゆう

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