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Drynaria sinica中国四川省産

2014/1/4
Drynaria sinicaとの事で入手したものです。
去年出会った方から、中国からシダを輸入したいがなんか面白いのない? とお話を頂き、中国の図鑑を取り寄せてもらったりしてあれやこれやと何だかんだとすったもんだイロイロあって(適当だな…)

紆余曲折を経て、ようやく手に入った中国の天然採取もの、ドリナリア。
中国の業者さん曰く、Drynaria sinica。
でもその業者さんはシダに詳しい方ではないそうなので、その名前がどこまであてになるかちょっとだけ不安だったのですが、どうやら本当に合っているらしいと最近になって思い始めてます。
一体何が届くか不安でありましたが(こんなのが手に入る、と送られてきた参考写真が…HPの転載だった時は鳥肌立った…でもそれぐらいのリスクは承知の上が輸入らしい)届いてきてみればなんとまぁ、今まで見た事も聞いた事もないようなへんちくりんな面白い種で「これは熱い!」
冒険もしてみるものですね。
でも此処で賭けに勝っちゃったから年末ジャンボが当たらなかったに違いない。

海外の業者さんを通じた輸入って大変ですね。
既に経験しているからでしょうが、採取の方が気楽に思えてしまいます。
どちらにせよ、どんな方法であっても、海外の面白い植物を手に入れようというのに、リスクは付き物だし困難は前提なんですね。
世の中甘くないし、楽な手法なんて転がっちゃーいないし、だからこそ面白い。

…。

あ。ごめんなさい、「苦労話はいいから植物はまだか!」ってそろそろ怒られそうだ(爆)

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2013/12月の写真。

珍しく着生させずに平鉢植え何て安全策を取っている。
根茎だけで到着と言う一見オソロシイ状態であったけれど、育ててみれば全部活着で死着ゼロと言う在り難い結果に。

ちなみに、



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自生地写真。
イロイロあって本当にこの子の自生地写真なのか…? と疑っていましたがそろそろ信じてもよさそうです。
ちぢれた根茎、赤くなる新しい葉。葉の形など、特徴はほぼ一致しています。

産地は中国・西四川省の標高1500m。
岩や樹上に着生。

四川省の西で1500m以上と言う事は西部高原地域あたりでしょうか。
結構気温が下がるエリアですね。
冬の屋外無加温は怖いですが、カザリシダぐらいには耐寒性在りそうですし、無加温温室や室内に取り込む程度の保護で冬を越しそうな気がします(推測にすぎませんが…)
むしろ夏が暑がる可能性がありますね。
とは言え、クール植物みたいに扱う必要はないかと。

と言うか、と言うか!
自生地写真にPyrrosia sheareriみたいなの写ってるし!
あれ、以前勤めていた植木屋兼ラン屋さんで毎年無加音で越冬してるんだけど。
別に暑がる様子も無く夏も元気なんだけれど。
全く同じ条件とは思いませんが、中々に丈夫な種類なのではないかと思います。

サラッと流したけれど赤くなる新芽って言うのもなかなか特徴的。
そう言うドリナリアってあんまりなかった気がする。


Drynaria sinicaはウィキペディアではチベットのネイティブと言う事になっていますが、中国のHPや図鑑の情報を見ると四川のみならず雲南やその他でも見られるとの事でちょっとだけ食い違っています。
とは言え、植物の専門資料とウィキペディアのどちらを信じると言われれば、まぁやっぱり資料の方を優先いたします。
ウィキペディアは便利ですが絶対正しい万能辞典だと思うと足元すくわれそうですし…そこで「やっぱり中国はw」とか思いたくはない。
中国の図鑑の中にはまったく分布していないはずの無い植物が堂々と「わが国にもある!」と書かれていたりするから気を付けてねと大師匠から指摘を受けて、実際に手元にある図鑑でそう言った記述がないかと探してみれば、あーまーあるある、確かに明らかに分布していない植物が堂々と載っている。そんな事実も目の当たりにしても、それでもなお。それはそれこれはこれであります。…選択的思考ではないかと不安にもなりますが、しかし専門書や数々のサイトとウィキペディア一つじゃさすがに比較にならない。
引っ掛かりは感じますが、中国の情報を信じようと思います。

思うに、シニカには様々なシノニムがありますから、その辺でイロイロごちゃになっているのではと思いますし。
手持ちの資料にもsinicaはシノニムとして記載されていて、メインはbaroniiと言う事になっています。
じゃあDrynaria baroniiとして紹介しろよと言われそうですが、sinicaとして入手したというのが一つと、手元の資料のbaroniiのほうが何故かヒットしにくく、sinicaの方が圧倒的に通りが良かったのがもう一つ。
そう言えばウィキにはbaroniiの記載がそもそも無かったので、その辺に何かからくりがありそうですよね。
ともあれ、イロイロ面倒な話ですがsinicaと言うことでここはひとつ。


と言うワケで。
ここまでが、「sinicaが中国に分布していてもおかしくない」と言う部分についての考察。
でも「実際にこいつがsinicaかどうか」は、まだ全然手付かずですよね。

と言うワケでこの面倒な話は続きます←

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縮れた金毛の根茎。

まずこの時点で大体の種類は省けますね。中国産のドリナリアと言うことで大抵の人が諦めに満ちた表情で「どうせフォーチュネイなんだろ…?」と怨嗟と共にぼやくと思いますが、この根茎を見ればその目に少しだけ希望が宿るはず。

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いやいや実はダバリアじゃないの? と更に疑う用心深い方に、シールドリーフの断片。
業者さんにはこれ、ぜひ置いといてもらいたかったけれど、残念ながら切られて届いてしまった。
けれど痕跡は確かにある。と言うワケでドリナリアには違いない。

まぁ、この時点では私もドリナリアspとしか言いようがない。

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赤い新芽。

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明らかにフォーチュネイではないですね(とかエラソーに書いているけれど、この時点では私、フォーチュネイを見たことありませんでした。今は持ってるから比較できるぞ…!)

ここまで来ると、形態的特徴と産地から結構絞れます。
西四川省の産地でこの形となると、sinicaとdelavayiのどちらかかなーと思うわけですがこれがまた良く似ている…
現状では葉の情報が不足している(なんせ栽培下の不安定な葉しかない)ので、どちらとも言えて、なにか決定的な差がないものかと調べても、中々に見つからない…
資料を見るとsinicaの生息域の標高は1380-3800。
delavayiは1000-1900(-2800-3800-4200)と書いてあるが意味が解らない。
どちらにせよ被っていますから標高では断定できない。けれど四川ではdelavayi標高3000mとか書いてあるのもあったので、ちょっとしたヒント程度に…

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胞子が着いた。これで先述の二種に絞られた。

ここからが難しい…
取り敢えず中国語の情報を片っ端から翻訳して読み解いて二種の情報と手持ちの株を比較して比較して比較して、本当にその情報が合っているのか裏付けは難しいのでいくつも別に情報を探して、んで。
んで。
よーやく! 何とかそれっぽい見分け方を確認。
やっぱり最後に唸るのは植物画だね…。目を皿のようにして見比べて、ようやく、sinicaには微妙に、びっみょーに! 鋸歯があるのに、delavayiにはそれがない事に気付いた。
あわてて特徴の翻訳を読み返せば成程、確かにその通り。
と言う事は検索表があれば一発で分かった気もするけれど、そんな情報見つからなかったんだから仕方がない。
手持ちの株を見ると…あった! おっそろしく微妙な鋸歯があった!

と言うワケで結論sinica。
勿論、絶対100%なんてこの世には無い…何だかんだと言ってシニカは本当にチベットのネイティブかも知れないし。
一つの情報を信じずいくつか比較した上だけれど、もしかしたらそれが全部間違っているかも知れないし(実際真逆になっているサイトがあった。いい加減だ)
でも。じゃあ、この時間は全くの無駄だったのか?
やーそうかも知れないねー。

でも。
面白かったことは間違いない。
そしてこいつが面白いドリナリアであることは最早疑いようは無い。


ここまでして正体が「絶対」と断定できないもの。
それこそが野生天然自然の植物であり、だからこそ面白い!
ちゃんと名前が解っているというのが実際どれほどありがたい事なのか…
しかし言い換えればspと言う言葉にはこれだけの面白さが詰まっているという事。
たった一種の植物でこれだけの探求が出来るという事。

根茎が届いてから一ヶ月、いや二ヶ月?
フルで楽しませてもらいました。
植物名をきっちり調べるというのは本当に難しく、そして決定打を見つけたときの達成感は何物にも代えがたいものがあります。
バードウイングファンがまだ何者かわからなかった時に、Teratophyllum aculeatumに辿り着いた時も雄叫びを上げるほど嬉しかったものです。



それは大好きな植物のラベルに記された、spの文字を書き換えるためだけに。




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美しい赤い新芽。
やはり素晴らしいものですね。

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岩着生と言うことで、鉢植えにしているのでもあります。
中は溶岩石と用土。
まぁ、これは養生用で、そろそろ格好いい自然石を用意したいなとは思っています。





しかし。
こうなってくるとdelavayiとか他のドリナリアも欲しいものですね。
ううむ…!



追記:2015/7/20
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久しぶりにシニカ。

ひとまずご報告できる事は、兵庫県の夏は無事に越しました。
標高の高いエリアに生える植物との事で、少しだけ心配でしたが難なく夏越し出来ましたね。
勿論ガンガンの直射日光に当てて平気かどうかまでは解りませんが、午前の光が当たる様な建物と建物の隙間に置いた棚で問題なく育っておりますし、室内でも人工照明で問題なく夏越ししています。
水槽内で真夏高温多湿になって葉が蒸れて黒くなった株はありますが流石にそりゃ当然じゃよと言ったトコロ。蒸れて落ちても根茎が元気なままなので秋には復活しましたし。

そして予想通り冬も越しました。屋外で野ざらし。
雨は直接降りかかる環境でした。ただし水気が多くなりすぎたためか枯れる株もありました。
軒下などで水分を調節しつつ、カラカラにならない程度にして保護してやれば十分安全に冬越し出来そうです。と言うか、葉を落として生育が止まっているのでそれこそちょっと暖かめの場所に置いておけば安心な気もします。

ともあれ、暖地なら日本の野外でも通年栽培できるという事が解りました。
兵庫県の低地で雪もそうそう積もるわけではありませんが、降りはしますし霜はおりるし凍りもします。とは言え「この地獄に、耐えられるか…?」と言うような環境で栽培して「枯れたか、軟弱者め…」なんて言われても困ってしまいます。
とは言え青森でも屋外で越冬しているとの事ですので、相当強いのは確か。

冬越しは極度に乾燥させすぎない事と、凍ったり雪が積もったりする寒さの中ずっと水べちゃな状態にならない事。
夏越しは特に暑がらないのであれですが、風で葉が痛みやすいので台風時は気を付ける事…ぐらいかな? 強い遮光は要りませんが西日や強烈な直射日光は少し避ける方が無難かもしれません。

ミズゴケ植えで十分ですが、用土植えでも良く出来ます。着生も可能ですが育ててみた感じ、着生よりも鉢植えや石付けの方が格好良くなりそう。

しっかり根付いた状態で屋外直射日光で育てるのは今年が初めてなのでシールドは期待していますが今は未だ出ていません。
リギデュラを少し幅広くしたようなかなり格好良いシールドが出る事は現地の様子から確認できますので、ぜひ頑張りたいところですが、ドリナリアのシールド自体中々狙って出せない状態なので気長に待ちたいと思います(苦笑)

とは言え今年初めてクエルキフォリアとスパルシソラとボニーのシールドが出ました。それも人工照明メタハラにて。
室内栽培でもやればできるじゃん! と感激の至り。
これで自信をもって説明できますね。「ドリナリア、室内でも格好良いシールド出せますよ!」
(ただし、時間はかかりましたが…)


という訳で、販売できるわけでもないのにシニカの報告でした。
去年あたりからリクエストはしているのですが、注文したから中々はいそうですかと届くわけでは無いようで、やっぱり出会いは時を選ぶよう。いつでもトトロに逢えるなんてことは無いわけで、穴なくなっちゃうんです。でも、いつかまた逢えるよね?(つーかワシが増やせっちゅーことじゃ)

根茎が長く這うタイプで、成長期には十センチくらいの生長点なしの根茎から延びた根茎が五センチに達しました。生長点がある今年はもっと育つでしょう。どんどん作り込んで大株にしたいですね。時間はかかりそうだ…
その前に、私のトコロから巣立って行った子達が大株になっているかな?

蘭屋さんの棚下に、いつからあるともしれないカザリシダが美しい葉を茂らせるように、
いつまでも日本の何処か誰かの棚にあり続けるシダになってほしいな…

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深く切れ込み、盾と言う程シールドはしていないようだけれど、シールドなら茶色く残って落葉しないはず…それっぽい葉を出したという方は、落葉しない(しにくい)かどうかで判断できるはず…通常の葉はぽろっと落葉しますものね。
夏場は気付かなくて、冬になって枯れのこって初めて「ごん、お前だったのか…シールドリーフは」と気づくことになるのかもしれません(笑) そんな感じの葉がいくつかあります。シールドな様なシールドで無いような、相の子のような、生育の途中で「やっぱやーめた」した子のような…栽培だとそう言った葉が良く出ているので、ちょっと環境が揺らぎ過ぎている気がします。もっと大事にしてやらねば…
by green-2-gleaner | 2015-07-20 22:43 | 栽培方法等 | Comments(2)

もっとマングローブ栽培

以前の記事。
http://kokeshino.exblog.jp/16734754

http://kokeshino.exblog.jp/16065188

なんだか大昔の記事がいまだに閲覧いただいているようなので、追記です。


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ちらっ。

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大きいので全体が写りませんが…

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懐かしのマングローブ植物。ランカウイのホウガンヒルギであります。
2012年7月の採取から、ちょうど3年といったところでしょうか。
基本的には植え替えなし。いまだに三年前の鉢に植わっております。

ずいぶん大きくなりましたが、これはホウガンヒルギの性質で最初に一気に成長してある程度の大きさになったら普通の生育にシフトするというもの。最初の一年ぐらいでここまでずどんと大きくなった後はそう背丈は変わっておりません。
潮の影響を受け擾乱される環境に於いて、一刻も早く根を張り背丈を張って安定しようという生存戦略。かっちょいい。
写真ではまだ種の欠片が残っていますが、実のところいじったら取れてしまうはず。
もう一株植えていたほうのはすぐに取れてしまいましたから。

というわけで、三年維持しました。
それを踏まえて前回のおさらいとちょっとした新たな情報を並べていきましょう。
マングローブ栽培について。


①日照やっぱり大事!

ホウガンヒルギはずっとメタハラ直下かつ、周囲に巨大な植物が存在しない状態で栽培してきましたが、ほかのヒルギたちはワーディアンケースなどでメタハラ栽培をしていました。
メタハラ250wがあればまぁまぁ問題なく育つことはわかりました…が、罠が一つここに。
ワーディアンケースなどだと十分な広さがあり、メタハラも照射しやすく、温度も湿度も保て最適なのですが、植物好きたるものワーディアンケースを与えられてマングローブの種だけおとなしく栽培してるわけがない。
リコポディウムをつるしてみたり、ドリナリアをつるしてみたり、メディニラを下垂させたり、ありだまをぶら下げたり…そうしていると、最初は置き場所に気を付けて影にならないようにしているわけですが、ちょっとした油断で、影ができてしまうとだめになりやすいです。
うっかりぶら下げる位置を変えて、ヒルギを陰にして気づかず一か月…なーんてしてしまうと、おしまい。私の場合販売なんかやってしまうとどうしても植物が多くなりすぎ、知らず知らず、光が暗くなってしまい…なんてこともあり、いくつも枯らしてしまいました。

というか、ヒルギの胎生種子。枯らす原因はほとんどこれでした…つまるところ。

ワーディアンケースにせよ、
ラックにビニールをかぶせただけの簡易温室にせよ、
メタハラを導入して遠慮なく照射すれば、栽培環境としては十分通用するようで。
かつ、マングローブなんか高温になろうがへっちゃらなので、夏場の最盛期もちょっと隙間を開けて蒸れ対策をすれば十分ぐらいで、室内にそうした設備を置けるのであれば十分現実的に楽しめそうです。
ただし、「せっかくだから上にいろいろ吊るそう♪」とか色気を出すと失敗率が上がりますよという教え。
だって折角メタハラ焚いているんだしいろいろついでに栽培したいじゃん! と思いますが、ぐっとこらえると吉かもしれません。
できたらメインの種の上には何もないほうがいい。ヒルギ、ホウガンヒルギ、木は、なおさらに。

…ただし我慢できるわけがないので、周囲につるすときは最小限に(爆)
いやホント。
満足な栽培スペースがない状態で、一等地をマングローブ単品に独占させるとか鉄の自制心がないとやってられんということが身にしみてわかりました…。私の栽培環境を見ればもう一目瞭然ですな(笑) 全然我慢できてない。その代り、メタハラ250wの直下光はこいつだけのもの。この株一株のためにメタハラ一基です。
あるいは添えるならマングローブより背丈が低い子ならいい感じかな。

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長い水槽に、鉢を沈めて管理ちう。
ミミモチシダなんか相性はやっぱりいい。日陰になっても大丈夫だしね。
種も入れていますが影にならないよう絶対的に注意が必要…

マングローブを栽培したいなら、あくまでマングローブをメインとして大切にすること。
大きくなれば、簡易温室やワーディアンケース一台につき一株から二株になってしまうことも想定しつつ。
メタハラ一基の輝きはすべてマングローブのために与えるように。

たくさんいろんな種類を育てようというよりは、一本の木を大事にしようというイメージが近そう。
太陽と暑さと水が大好きな熱帯樹木。盆栽のように一鉢一鉢手塩にかけたい。



② 植えつけ。

やっぱり、最初から大きな鉢に植えたほうがいい。
植え替えはことごとく失敗しました。ホウガンヒルギは最初に三株、このプランターに植えていましたが成長が著しく、一番成長の弱い株が日陰になって枯れたところで、二番手の株の植え替えを決意しました。

そんなこともあろかと!

植え替え容易な砂地植えにしていたのです。狙い通り、やさしく掘り起こせばさらさらと砂は崩れ、ほぼ根を痛めることなくするりと引き抜くことができましたが、植えつけた苗は成長が止まりました。なんたる。
しかしこの件に関してはすでに以前の栽培方法でも述べています。
植え替えは鬼門なので、できる限り植え替えをしないように。
する場合は、鉢ごと引き抜いて根鉢を崩さずそのまま移植できるようにすることと。
やはりこれは鉄則のようです。砂なら何とか、というのも、うまくやればできるのかもしれませんが、容易ではないようです。
 
植えつけたほうがいい。花瓶差しで水飲みの栽培も、植え付けの段になってかなりの確率で枯らしてしまいかねません。本気で栽培されるならさけたほうがよいと思われます。後でそっと植えつければいいやと思っていましたが…

③肥料ってどうするべ?

砂地植で肥料も何もあったものではありませんが、心配無用。水替えを怠らなければ水道水に含まれる肥料分で十分賄えます。液肥とかも特に投入していません。
別に猛烈に肥料を求めるわけでもありませんが、水替えをさぼりすぎていたころ、葉が黄色くなりましたのでやはり反応はあるよう。
最近は水槽内もにぎやかになり、クリプトコリネが何種か繁茂しておりそちらの肥料分の反応のほうが顕著なので、彼らが肥料切れを起こさない程度にみはっていればホウガンヒルギのほうは特に不平不満も漏らさずにこにこしててくれるようです。


④参った害虫

カイガラムシが付きました。何が厄介って、水槽の中にはエビがいる。

やむなく鉢を外にだし、歯ブラシやティッシュでカイガラムシを防除。それでもしつこい場合はカイガラムシの薬(ホームセンターでのスプレータイプなど)で対処しました。特に植物にダメージはありませんが、その辺の薬品は水毒性があるに決まっているので、薬をかけてしばらくしたらしっかり葉をぬぐって薬液が落ちないように注意しました。できれば手で取るのが一番ですけれど、新芽の先に潜り込まれると困る。
カイガラムシに気づかず直下のミミモチシダの葉が糞による煤病でべったりになったら目も当てられません。早めに対処しましょう。



⑤剪定

…は、まだ書けるほど情報はたまっていませんが。
やはり暖かさを好むので、冬場は成長が止まっていますし、最近一気に成長してきましたし、切るにはタイミングがありそう。
ちゃんと節より上で切れば節から芽吹いてくれますし、バッサリ切っても幹が元気なら幹吹きはしてくれそう。なので大きさは一メートルと少しぐらいで維持管理はできそうです。
今年の動き次第でホウガンヒルギを切る予定なので、また新たに情報を書き込めそうです。
そんなわけで大きさは気にしないで大丈夫でしょう。簡易温室、ワーディアンケースに収める剪定は可能な気がしています。室内があたたかければ室内栽培もできるのかなぁ。そちらはもう実験していないので。温度をいかに維持できるかにすべてがかかっている…


⑥良い根はでたかい?

…ぼくたちの戦いはまだ始まったばかりだ…!←

とはいえ、ホウガンヒルギはなかなか根が動いてくれていて楽しいです。
自生地では暴れる支柱根タイプ。栽培では勢いがまだまだ。髭みたいな根がのたうつのみです。
胎生種子よりは早期に楽しめる気がします。入手が容易ではないけれどな…
この水槽はもとよりこのホウガンヒルギのためにささげる環境なので、この水槽一面に暴れてくれてもいいんだぜ…? と語りかけつつ、実際暴れたらどうなるんだろうと戦々恐々。

支柱根関連で一回ぐらいは失敗しそうだ。




いろいろ書きすぎてなんか難しそうな感じですが、
ぶっちゃけ、
「メタハラor燦々と太陽の当たる窓辺(ただし冬場寒くなるのはNG)」
「簡易温室orワーディアンケースor何でもいいけどとにかく年中暖かい環境」
があれば栽培は容易、というのは変わらずです。


背丈は剪定をすれば室内栽培に収まりそう。
最初の植え付けの段階で大きい鉢を。
上に影になるようなものを絶対につるさないこと!
温度は20度は下回らないように。
肥料は普通に魚の飼育と同じような頻度の水替え。普通の樹木と同程度の灌水で補えそう。
害虫駆除で薬品を使ったりするので水槽内のエビや魚は注意!
うーん以前から言っていることかも。


ただ、気軽に育てられますとは、とても言えないなぁ。
栽培は容易で簡単だけれど、上記の栽培環境を用意するのが普通の人には大変だ。
「マングローブを育てるぞ!」 という熱意は最低あったほうがいいというか、ないとどこかで枯らしてしまうだろう。
温度管理、光の管理がある分、盆栽よりは難しい。
といえば難易度がわかりやすいか。
やろうとしていることの本質としては、盆栽とそう変わらないのであるが…。
ついでとか、片手間とか、手軽さとか、インテリア感覚でとか、そういう類の植物ではないなぁ…


でも、本気でやれば応えてくれる植物だということはわかった。
上にほかの植物を吊るすような浮気もせず、一度にたくさんの種類を集めようなんて色気も出さず、手元にある少数の選び抜いた株を万全の環境で本気で向き合えばいいのだ。成程、販売者としては相当な力がないと難しいが、マングローブを専門で愛するならば十分実現可能な範疇。一株一株しっかり愛して、ぎうぎうに詰め込まずその株に必要な面積をしっかり確保して、面倒を見てあげられるなら。

…なんだ、
そんなの、当たり前のことじゃないか。

当たり前のことを当たり前にするのが、いかに難しいか。ちゅーことかもしれんね。
屋外にビニールハウスを建てて年中20度キープ。バンダが楽々育つ環境なんて趣味家の夢みたいな環境を用意しなくていいそれほどではないというのは助かるけれど、マングローブを万全の環境で育ててあげちゃう人ならば、いつかそのくらいのことは実現しそうではあるけれど。
そんなこんなで、役に立つような立たないようなよくわからない文字の羅列は今日はここまで。
参考になってんのかなってないのか…

「簡単、だけど難しい」が伝わっているとうれしい。
どこが簡単なんだよ…、って思う人は多そうだ。でも、本気でそれだけをやりたい人には伝わるはず。私はマングローブ一筋にはなり切れないので、数種を大事にするにとどめようと思うけれど。
マンション暮らしでも、ワーディアンケースを三台ほど並べてメタハラを一基ずつ三基ぶら下げたら、温度は年中常夏だろうし、それなりに種類をそろえられる気もする…クーラー常時稼働必要とかに比べたらハードルは低い。比べるものが間違っているかもしれないけれど。


「どう考えても不可能だろ…」⇒「何とか実現してやる!!!!」

と思っていたので、
「思い切りさえあれば今の設備で実現可能」⇒「なんだ、楽勝じゃん」とか思っている節はある。
ともあれ。
マングローブというかホウガンヒルギを説明のネタにしたそっち系植物の総合解説みたいになりましたけれど、参考になれば幸いです。





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咲くやこの花館のマングローブ植物。
心がぽっきり折れそうになるけれど、…ふんだ、上手く室内で格好良く仕立て、もっと小さい状態で根も楽しみ、育てきってやるさ! と闘志がむくむく燃え上がると同時に、
けれどもし、
室内でチマチマなんて、小細工抜きで、
この株のように、こんな風に、のびのびと、
育ててあげられたなら、
それは、どんなか幸いな事なのだろう、って…
どんなに、満ち足りたことなのだろうって…
by green-2-gleaner | 2015-07-11 00:16 | 栽培方法等 | Comments(0)

コケシノブ科植物栽培総括

先日コケシノブ科のシダについて栽培方法をご質問いただきましたので、改めてあげておきます。
コケシノブ科植物は水草ではないので(あくまで水中で育てる事の出来る種がほんの少し存在するだけ)、基本的には高湿度栽培、密閉栽培がとても好成績です。
滝の傍に生えるもの、時折水に浸かるものでも水中では育たない事が多いですので、他の陸生植物の水中化実験の様に試すのは面白いですが、「水中で育てられる植物達」とは思わないのが無難です。
ボルビティスやミクロソラム、ブセファランドラなどの渓流性サトイモ類の水上管理のような密閉栽培で良く出来ますので、ぜひそちらで育ててみてください。とても美しい新芽を次から次へ出してくれますよ。

※栽培方法について※


◆栽培容器…密閉ケースなど

まず数や大きさにもよりますが、少しだけですと少し大きめのタッパーなどでも大丈夫です。一株二株ならパンケース程のサイズでも大丈夫でしょう。

数十株単位で栽培予定ですと、水槽が見栄えは良いですね。隙間ゼロの状態で封を出来る蓋を合わせて密閉にできますが、最近はそう言ったピッタリのふたが中々御座いませんね。

衣装ケースは手軽でかつコケシノブが育つ程度の密閉を保てる容器ですが、如何せん不細工ではあります。

ワーディアンケースなどは密閉具合にもよりますが乾きやすいです。温室などですと奥ならば湿度が保てて良いかも知れませんが、出来る限り湿度が変動しにくいことが前提になります。

◆照明…種類によりますが。

コケシノブ科植物は基本的に光が好きです。
朝日が当たる環境をもっともよく好みます。
もし人工照明で栽培の場合は、60cmの蛍光灯二灯はあると安心です。
光をより好む種はそれでも足りない場合があります。

・Crepidomanes、Abrodictyum、Cephalomanesは蛍光灯二灯~で概ね育ちます。栽培もおおむね容易です。

・Hymenophyllumも一部の種は蛍光灯二灯~で大丈夫ですが、大半はそれでは足りない事があり、メタハラやLED、太陽光である必要が出てきます。栽培は難しいものが大半です。

・Trichomanesは非常に多岐にわたるので一概に説明できません。栽培も性質もピンきりです。

・Didymoglossumは蛍光灯二灯で十分である事が多いです。大型種は解りませんが…


◆温度湿度

種類によって ばらつきが多いのですが、基本的には20℃~30℃までで育てれば間違いはありません。
私の温室では15℃~33℃ぐらいには振れ幅があります。それ以上の寒暖差は避ければ無難と思います。
高地性のモノは高温すぎるとダメになりますので注意デス。特にHymenophyllumの雲霧林種は怖い。

湿度は計っても無駄です(爆) それはもう、最大限加湿し密閉してあげてください。栽培できるようになってから、湿度を下げる事を考えてみると良いと思います。

加湿器は必要ありません…と言うか、入れる事が出来ないと思います。

超音波のミスト発生装置も、使いこなせれば良い結果を生むことはありますが、必須ではありません。超音波加湿器で甘やかすと結果弱くなり、ミストが壊れた瞬間枯れる事もままありますので、ムシ ロ避ける方が無難です。
霧吹きなどで十分ですし、環境を作れば霧吹きも不要です。


◆植え込み材料

ミズゴケは最も便利で良い結果を得られます。
基本的にホームセンターの粗悪品さえ避けて園芸店の(ホームセンターにあるようなものがたまにおいてあるので油断なりませんが)ミズゴケを買えば大抵間違いはないです。ランクについてもお気にされるのは大変良いことです。

安いミズゴケは何が安いかと言うと、明確にダメだからです。たとえば年数がたちすぎている、腐りかけている、選別の時点で短かったり微塵が大量に含まれているぐらいなら可愛いものです。とは言え、悪いミズゴケを好むシダもいるのでこれはこれで使い道はあるのですが…
長くて、ゴミが混入してなくて、フレッシュで丈夫で崩れにくい。ランクが上がるとこの辺の質が向上していく感じですが、正直フレッシュであればゴミが入っていようが短かろうが栽培には問題はないので、最高級ミズゴケで植える必要まではありません。
ニュージーランド産は良いものが多く、AAAぐらいなら十分すぎる程ですが、たぶん購入したこと自体がありませんので解りませんがAAでも楽勝なのではないでしょうか。

プラスチック鉢や素焼き鉢の底に鉢底石(一㎝から二㎝の大きさの日向石(中粒)など。)を一㎝から二センチほどの高さまで敷き詰め、その上に霧吹きなどで戻したミズゴケで植えつけると良いです。ちなみに鉢底石もホ ームセンターは粗悪品が多く、栽培に於いて危険ですらあります。安いものは使わないのが無難です。高ければよいというものでもありませんし、初めてですとどれが適切なのかはわかりにくいとは思いますが…

地生種(Cephalomanes Abrodictyum Crepidomanes Trichomanesの幹立ちや大型種等)なら用土での栽培も可能です。ソイルでも育ちますよ。余っているなら利用すると良いと思います。(高いですが養分アリ有機質アリで崩れにくい確かに良い用土です)どのソイルが良いのか、と言うのは使い分けて実験したことがないのでわかりません。

園芸用土ですと赤玉土の小粒が無難です。配合は「なぜ混ぜるのか」を計算に入れる事が出来ないうちは特に考えない方が良いと思います。混ぜるとしても桐生か鹿沼土ですね。
用土は総じて硬質が長持ちして良いです。ただし焼成赤玉までは必要ないかと。試したことはありません。

◆属ごとの水分管理

①CephalomanesやAbrodictyumなどの地生種は腰水栽培が適しています。腰水とは容器内に浅く水を張って、常に鉢底から給水する方式です。川沿いに生える種(ソテツホラゴケなど)は用土表面ギリギリまで水があっても平気です。思いっきり陸上に生えるモノ(オニホラゴケやAbrodictyumの幹立種等)は、鉢底石が入っている高さ位までの腰水が良いです。

②CrepidomanesやHymenophyllumなどは着生種が多いのですが、腰水は無し、またはごく浅い腰水(鉢底石以下の水深。ミズゴケは直接水に触れない方が良い。腐ってしまうので)だと良いです。CephalomanesやAbrodictyum、Trichomanesのヘゴ着生種もこれに準じますが、さらに難しくなります。圧倒的です。

③Trichomanesは種によって違うので一概には言えませんが、水辺に近い地生(アマゾンのシャーマンシダなど)なら①で、水辺ではない地生(メイフォリウム等)や着生なら②で育てると何とか。

④Didymoglossumは水辺のモノは深い腰水が良い感じです。朽木に着くような種類はべちゃべちゃのヘゴ着生などが良かったりもしますがまずはミズゴケが無難かも。
有名なカメルーンのコケシノブは正確にはTrichomanesではなくDidymoglossumなのでこの栽培が適していますが、水中栽培の方が普通になりつつあるようなのでそれでよいと思います。水上でも育ちますよ。胞子付けてあげたいですね。

基本的には、鉢底石までの腰水または腰水無しが無難です。アマゾンの水没するエリアに生えるモノはもっと水深を好んだりもしますが、浅い水深でも育たないわけではないので…
こう書いていますが、鉢ではどうしても植え付けれないものもあり、そう言ったものは工夫するしかありません。ヘゴやプランターなど。


◆肥料など

それほど多肥を好む種はありません。いままで肥食いのコケシノブには遭遇したことがない気がしますが、しかしまったく求めないわけではありません。
しかし肥料を与えるよりは、植え替えの方が効果的です。根の成長が遅いので一年から二年は管理して植え替えてやると良いと思います。余談ですが、密閉で数年ほど栽培して植え替えもせずにいるとふとした時に葉が黄みがかり、慌てて水を与えたところ(ただの灌水。ハイポなど無し)数週間後には元気な葉色に戻っておりました。普通に水を与えている限りその水の中の栄養素でイケてしまう部分はありますが、流石にこんなスパルタ管理はダメですよ。

肥料を与えて用土にダメージを与え、その結果植え替えを早くせねばならなくなり、コケシノブの折角伸びた根を傷め、ダメにする方が私は怖いように思います。
悪いミズゴケを買わない方がいいのはこの点もあり、悪いミズゴケは傷みやすく、植え替えが必然早くなってしまうのです。同じことがその他の用土にも言えて、安価さで選ぶと大抵の場合寿命が短い。最高級のモノは選ばないでいいので、選別済みだとか、硬質だとか、そう言った他のとちょっと値段が高い方が安心です。とは言えピンきりですけれどね。良い用土は自分で試して良いものを見つけていくしかない。

◆導入直後

暫く強い光には当てません。湿度も全力で高めてください。
いつごろまで? と言うのは状態によるので難しい所です…
用土に根が馴染み、しっかり吸水をし安定するまでがキーです。ダメな時は一瞬ですぞ!
とは言え、「発根して安定する」普通一ヶ月ぐらいで出来るはずの事が基本的に一年後二年後とかなので、それを生真面目に待っていると光が足りなくなります。なので一週間ぐらいでしょうかね…


こんな所ですね…属ごとの大まかな説明ですが。
此処に載っていない特別な属(シノニム的な特別でない属名もありますややこしい)はさらに難易度が高いと思っていただいてよいです。
白いコケシノブ。PleuromanesはHymenophyllumの高地性種並。
毛に覆われたコケシノブ。SphaerocioniumもHymenophylluの難物系。
Polyphlebiumは今のところ私からしか手に入らないと思うのでもし出すなら解説しますが…ヘゴ着生の大変生育の遅い種です。ヘゴ着生は大抵難しいと思ってください。
まだまだ変なものもありますが私も育てていないものは流石に説明できないのでここでは省きます。南米系は面白いので探したい。


水中栽培についてはたぶん私よりも水草を真面目にされている方が圧倒的に強いと思いますのでコメントはせずにおきます。
インド便の種の他に、最近はビンタン? のものも水中でと言われていますね。ちょっとだけ欲しい。
ソテツホラゴケは水中だと圧倒的に動きが遅い気がします。と言うかソテツホラゴケが水中で育つというのなら、安価で山ほど入荷しているのだからあちこちの水槽で綺麗に生育してなきゃおかしいのでは…
水辺に生える種に期待するのはアリなのでしょうけれど、ソテツホラゴケの一例を見てもそんな簡単なものではないと言えるかと。

コケシノブ科植物は生育が非常に遅く、自生地でも数十年はかけて育っている株が多いです。特に単茎種。
栽培方法をいろいろ試すのは良い事だと思いますが、そろそろ確かな方法を選択して水上水中使い分けて育てても良いと思います。安いから枯れてもまた買えばいいや、と大量消費していい植物じゃないと思うの…。
人間が増やしたわけでない採取植物ならなおさらに。
いい加減な扱いで安いものは、支持しちゃいけない。

しかし生産で安価にするのは素晴らしい事です。その魅力が認められて、増やされて、そして自生地に頼ることなく人から人へ、手と手の中で循環していく。…今はまだほんの数種ですが、今後多くの魅力的な種が、そうやって積極的に増やされ流通されるようになればよいのですが…そうなってほしい。きっと、そうしなきゃいけない。
高めるべきは需要より栽培管理の認知度。もうちょっと積極的に栽培方法を公開しないといけないのかな。難しいなぁ。
by green-2-gleaner | 2015-04-05 02:52 | 栽培方法等 | Comments(0)

栽培場

栽培環境についてご質問が最近多いので少し公開しておこうかと。
何せ記載している栽培説明が相当古いもので、まだ今の栽培場に移動する前、マンション内にとどまっていた時の情報しかないというのはあまりにもアンマリ。や。書きたいとは思っていたんだけれどね。

マンション内でこれだけの栽培ができる、という事を公開するのもとても良いんじゃないか? と思った栽培説明だったけれど、そろそろそ更新も必要かと。
参考になるならないはともかく、載せておこうと思います。


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きちゃない。
何せこれはなんせそのもっとも古い栽培説明に載っている衣装ケースをそのまま連れてきたものだから…何年ものだ? 梅干しか。
なんだっけ、瓶詰にして生態系が循環してるとかいうやつ、閉じられた環。ミクロコスモ? あんな感じになっている。たまに液肥与えないと肥料不足でダメージ受けていくけれど、正直、全部綺麗にしていきたい。手を広げすぎると手が行き届かなくなるという例。でも棚の高い段にケースを置くには、衣装ケースは軽くて扱いやすくて便利だと思っている。見た目は悪くても、この高さに水槽を置いて狭い通路内で持ち運びはできないものだけれどこれなら何とかなる。と言う意味で、昨日的ではある。
でもきちゃない…。

基本的には密閉できるので高湿度環境で、あまり環境を動かさない植物に向いている。
動きの旺盛な植物は肥料切れで喘いだりするけれど、なんと数年越しでスイッチが入って、今盛りに至っている植物もいる。何者か。コケシノブである。
何年かけてんだよ…でもだから手が出せないというのもありいます。
ヒメノフィラムがやたら調子づいて動いているんですね。
植えつけて数年たってようやくスイッチが入る。安定して来る。メンドクサイ系女子め…

うっすらと素焼き鉢、プラ鉢など様々な容器に植えられているのが解るかと思います。
加えて用土、あとミズゴケだと球にして鉢より高く盛るか否かなど、
工夫することにより単一の環境でも様々な生育条件を作れます。
解りやすい例でいえば、腰水がたとえ一センチあれば、小さなプラ鉢に浅く用土を入れただけだとべちゃべちゃになりますが、背の高い鉢に植えたら表面は乾くぐらいになりますね? そんな感じで、植え方で出来る環境の差異を作ると、一つのケース一つの管理方法で様々な環境が作れます。
「一つ一つ管理するのが面倒」な方向け。
正直、すべての植物を一つ一つそれに合わせて管理する方法には完全に負けますが、これだけ植物の量が増えてくるとそう言った手段も取らざるを得ない…というあんまり褒められた方法ではない気がします。愛がない。…本当に? 日々忙しくて面倒を見れないけれど、遊んであげられないけれど、信じてもらえないかもしれないけれど…お父さんはちゃんと君のことを愛しているんだよ…。

夜中にしか作業できなくて、ゴソゴソしていると家族に怒られるような人だっているんじゃないかなぁ…
不自由な条件でもそれでも育てたくてがんばっている人はいるはずなんだ…

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なんか脱線した気がする。次行きましょう。
それにしてもこうして公開する段になって初めて「もっと小奇麗にして写真撮ればいいのに…」と思う。しかし撮影しなおしてくる気にはならない…オシャレに気を使って格好良く撮影している方々を思うとホント申し訳ないな。どれだけ私がそう言った外見に対して無頓着であるかが露骨に解ってくるものであります。

水槽栽培。
蓋はガラス蓋だったり、プラを切り出してぴったりはまるものだったり。
…ガラス蓋で密閉できるぐらいピッタイのものってどーやって手に入れるんだろう。注文するんだろうか。
中途半端に隙間が空いていて使いにくいことこの上ない。…まぁ植物栽培用ではないし仕方がないんだろうけれど。
この蓋の隙間によっては環境が激変するので要注意。
いきなり乾いてコケシノブが即死したりする。なので見た目をよくするにはいいけれど(なのに俺がやったらなぜこんなに汚い)個人的には、栽培にはいまいち。ぴったりのふたがあればいいんだけれどね。
栽培については基本的に衣装ケースと同じ。乾いたりするので密閉系植物はあまり入れない。衣装ケースは水を張り過ぎると膨らんで危険なのでやっぱり水草や水深を必要とするものには効果大。水槽は水槽、という事ですね。

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蓋に苦戦していることがよく解る。

無理にあててるからガラス割れたりするし…だから人を呼びたくないってのもある。安全性が確保できないなら人は呼ぶべきではない。

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多様過ぎる…
基本的には養生環境に近いので、着生系でもここに入れておけば発根発芽してくれる。その後温室に移動させたり。写真でもパキセンの根っこを吹かせようとしてますね。メディニラの採取株なんかもここだとガンガン発根する。ずっとあると腐っちゃいますけれど、養生には効果的。

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簡易ビニール温室
ホームセンターのメタルラックと、ビニールを組み合わせたもの。
水をじゃぶじゃぶするためには受け皿があるとベスト。トロ箱みたいなのをホームセンターで買えば完璧だね。上手くすれば一万円以内で収まるマンションやスペースの限られたお住まいに安価に導入できるいい栽培環境。
窓際に設置したり、こうしてメタハラを吊るしたり。
ドリナリア、フペルジア、リコポディウム。着生木本など着生植物や、大型のサトイモ科、這い登る植物など地生種にはこの辺が便利。
ビニールの下が少し空いていると急激に乾燥したりしますが、それによって湿度調整も大まかには可能。

ただ環境が激変しやすいのと、ビニールの劣化で一年もたないのがネックではあります。破れる、汚れる。毎年の張替えの時はお部屋を汚さないように注意です。トロ箱ごと部屋の真ん中に移動して周囲に新聞紙敷いて切り取るようにしてビニールを剥がし(張り付きやがるのだ)新しいのと交換する。どんなにいいメタルラックで防錆してようとそんなもん環境によっては大体錆びるのでさび汚れとか飛び散るのが家族の不評を買いそうだ。室内だと造られた環境によってはさびにくいこともあるけれど…使い方次第なので、あくまで「さびない」という前提では考えない方がいい。そういう意味では確かにあくまで「簡易」ではあるけれど、
その実、

栽培にはワーディアンケースとそれ程遜色はない。

やはり安価に導入できる点はデカくて、家族の許しがあればベランダ一面に配備することだって夢ではないし、そういう意味では「軽空母だって正規空母並みの戦力になるんだから!」である(なんか混ざった)
しかし屋外に置くとホント錆びる。ボロボロになって棚が壊れる。まぁ、本来の用途に用いられていないのだから当然か…商船改造空母…でも何気に一番世話になってるぜ。
それにしても簡易ビニール温室ってメンドクサイな…その性質から軽温室と呼称したい。けいおん!

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言わずと知れたワーディアン。
室内栽培の戦力の中核。
…しかしこいつはなぁ…
室内で用いるワーディアンでさえ、とかく隙間が多い。シャワーでじゃぶじゃぶするのではなく、たぶん中の植物に水差しで水を与えるようなやり方が主流なんだろうな。隙間からざぶざぶ水が漏れるので、結局こいつも受け皿は必須。一鉢一鉢水を与えられるなら別だけれどね。吊るす植物が多いと無理だなぁ…
後、乾く。致命的。コケシノブ栽培は厳しい(テストに出ます)。隙間を埋める工夫をするぐらいなら、いっそ簡易ビニール温室のほうがコケシノブには向いているという。
というワケでコケシノブログ的には不評ですが、まぁこいつは何でも来いのいい栽培設備ではあります。簡易温室よりも保温力や防御力は高い。特に窓際や屋外に置いた時に効果が絶大。簡易温室の非ではありませんね。一番上が開閉出来たり換気扇がついているものはやはり最強と言わざるを得ない。天窓っつーのはとても重要なのだ…!

簡易ビニール温室を屋外に置くと、夏場は上段二段ぐらいは植物を置けない。灼熱地獄になるからだ。
でもワーディアンなら天窓を開けたり換気扇効果によってどこでも収容できる。つよい。

ヒーターを入れるにもビニールよりも安心だし、保温力髙いし、もし高湿度植物を育てたいならピったりサイズのビニール覆いもあるというのがデカい。かぶせると保温、保湿、共に向上する。
しかし高いな…正直、性能としては軽温室(まだ言うか)とそう変わらないので、

・室内を汚したくない方(受け皿が別に購入する必要があるけれど)
・屋外にメインに置く方
・は? まずは見た目だろ?

な方が、ワーディアンいいんじゃないかな…「着生植物やりたいです! 温室って必要ですよね…?」って方はワーディアンよりビニールでいいと思う。
ただまぁ、最終的な憧れではある。
始めるのにいきなりこれではハードルが高いから、別にこいつじゃなきゃ育てられないんだよってわけじゃないってことはしっかり主張しておきたい。

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阿呆の極み。オバースペック。室内にこんなものぶち込んじゃ駄目よ。
本来なら屋外で使用する小ビニール温室。屋外に置けないので部屋の中に建ててます。
こんなものは参考にならないだろうけれど一応…

この温室を外に置いた場合殆どすべての植物、私がかつて育てたいと思ったすべての植物を工夫次第で栽培できます。ゾウコンニャク? 知らん。
まぁ全部は言い過ぎで、入りきらない植物などはともかく、アリダマも元気でしたね…室内だと育ちにくいのに。
マングローブも楽勝。大量に植物があればど真ん中の湿潤なエリアでコケシノブも行ける。
ガラス温室を建てるには予算が足りなくても、庭にこいつを置ければ格段に栽培が楽になりますね。
置きたいなぁ…


ただまぁ、室内でこんな事したら普通あかんで…(遠い目)
by green-2-gleaner | 2015-03-22 12:39 | 栽培方法等 | Comments(0)


あの日見たシダの名前を僕達はまだ知らない。


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着生植物、多肉植物。
水生植物、渓流植物、高山植物。
シダ植物コケ植物、草本木本、綺麗な花も不気味な花も、美しい葉も奇妙な葉も、根も葉もない植物も、とにかく変なものなら何でも好きです。
主にコケシノブ科植物を探す中、気になった植物を見つけては一緒に持ち帰り栽培しています。

面白い植物の記録をたくさん書いていけたらいいなぁ。

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