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Blechnum obtusatum var francii 2016年3月時点

初めて見つけたのが2014年の5月ですからそろそろ2年が経ちますね。
最初持ち帰った当初は枯らす方も多く、どうなる事かと思いましたが、何とか枯らさず当時の株も順調に栽培できております。現地の環境を直に見ているのですから他の方より上手く育てられなきゃ恥ずかしいのですが…何とか頑張れていますよ。

最近では管理をさらに雑に、緩めにしてみていますが、枯れることなく順調です。
押さえるポイントが解ってきたので、そこをしっかり守れば適当でも十分栽培しうる植物だと感じるようになりました。

今では購入された方の中にも順調に育てられているという話もよく聞きますし、とても良い傾向だと思います。
これから「うちでは簡単に増えるよ? なにこれ難しいの?」みたいな、ボルビやミクロが水槽内で山盛りになっているようにフランシーがモリモリになっているマニアさんが出てくると素晴らしいですね。
次の目標は継続的な増殖! まだまだフランシー栽培ははじまったばかりだ!

という訳で、現状これから新規に始める方に向けて、当方の栽培方法をおさらい。
一年前より少し情報が絞れて来ていると思います。
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小指の爪の先ほどの根茎、根も数本しかない株も、ご覧の通り溶岩石に縛り付け、水中にそのまま沈めているだけで発根、生長を確認しています。

栽培環境を列挙しますと、


照明:LED50Wor蛍光灯多灯
(メタハラ150w等高光量なもの。蛍光灯なら二灯以上。太陽光はとてもよく育つ。
明るい方が生育が早い。
蛍光灯よりLEDを推奨します)

水質:中性
(水道水で特にpH調整はしていません。クリアウォーターです。やや高pHの自生地ですがそれを再現する必要はなさそうです。)

水温:室内無加温
(今年の冬はヒーターなしで越しました。10℃位になっても大丈夫ですが、15℃~28℃がよさそうです。32℃以上の高水温についてはデータ不明。誰か試していますか?)

流水:強い水流は不要。
(以前必要と書きましたが、無くても育ちます。
ただし流れがないと、葉が重なっている場合下葉に光が届かず下葉が枯れます。少し流れがあって葉がそよぐと大丈夫。ボリュームを維持できます。
光が強くても大丈夫。暗い場合は長が少しあると安心かもしれません。
太陽光だと特に光が強く流れが不要のようですが、コケると大変なのでその点はお察しです)

濾過:投げ込み式フィルターで十分

底床:特に不要。水替え時管理しやすいもので
(当方では水替えの頻度が多いと良く育ちます。ソイルだと肥分もありよくそだちそうですが、うちは砂で水替えをしやすくしています)

食害:今の所ヤマトヌマエビでも無問題。魚は不明

肥料:無添加で育ちます。
(ただし水替えが多いからかもしれません。苔が生えると致命的なので無肥料頻繁な水替えで養分を補給していますが、本来肥食いな気がします。コケをはやさない熟練した肥料やりならいい結果が出るのかも…)

植え付け:なしでもOK
(溶岩石にそのまま糸でくくるだけでOK。用土に植えつけた方がいいと書きましたが、水替え時に面倒でした。今では何もせず底に沈めていても枯れませんし発根しますし生長します)


水替え頻度
:週一(当方の場合)

(と言いつつ忙しい時は1カ月に一回だったりもしますが別に枯れません。ただし生長が緩やかになったり、葉の一部が枯れ込んだりとすこし調子が悪くなる気がします。ので頻繁な水替えだとよさそう。
でも安定した水草水槽だと必要ないのかもしれません)

増殖:株や根から子株を吹きます
(たまに枯葉の根元からも吹きます。稀に底に子株が転がっていますが何由来か不明)

水上栽培
:フランシー&レトレシア双方で密閉ケース内で水上栽培しましておりますが水上化しておりません。

同じ葉が萎縮して生えるのみです。次々に葉を出し生長はしていますが水上に適応したようなしっかりした葉は生えていません。引き続き検証します。どうも通常の水上化をするように思えません。
陸上の植物を水中に沈めた時、萎縮した小さな葉がずっと出続ける現象、ありますよね。
あれの逆で、萎縮した葉が出ているように感じます。そもそも水上に合っていない気がします…

以上のような環境で、不注意でのロスト以外の枯れはみておりません。不注意とは、「照明が壊れていた」「ほかのフランシーの葉の陰になっていた」などです。
「鉢植えから抜けて枯れていた」と言うのもあるので、いっそ最初から着生方向でやった方がよさそうです。

当方の感触としてはとても強健な水草です。ホシクサとかクリプトとかの方がよほど大変…

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採取直後の株ではありません。

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子株が吹きます。大きくなってから株分け。

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長く伸びた根は日本で伸びたモノ。つまり元は数本の短い根のみ。この着状態でも植えつけ無し、特に保護なし、沈めているだけで十分生育することが分かりました。

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レトレシアの正体はまだ不明です。フランシーと同一水槽で長く栽培していますが、葉はやはり縮れ葉のまま。得体が知れません。水上葉水中葉の違いではありませんし、環境での一時的変化ではなく、もっと長期の変化のようです。
栽培はフランシーよりも強健。
水上にあげてもオブオブにはなっておりませんから、此奴だけオブオブの水中株…と言う線もなさそうです。


水中シダですが、ミクロなどの様に陰性で大丈夫と言う植物ではなさそうですね。
その辺水草として扱うときに注意が必要と思います。シダ系だから陰になっても大丈夫~と思ってると痛い目を見るかも。
通常のソイルなどを用いた水草水槽ではなく、水草が育ちにくい砂や大磯などでも岩に活着させて活躍しそうな感じです。まぁその辺はミクロなどと同じですが…流木の活着はどうかな…出来るかな。枝につけていますがまだ根が張っておりません。

「何か簡単そうに書いているけれどうちではやっぱり育たねーよ!」と言うかたは、過去の考察を見て検証してみてください。
http://kokeshino.exblog.jp/21483544/
去年の考察です。今となっては不要と思われることも書いていますが、もしかしたら別の方の環境では必要だったりするかもしれませんね。
ナニカ栽培のヒントになれば…と沢山書きなぐっています。
by green-2-gleaner | 2016-03-13 16:43 | フランシー情報 | Comments(12)

Blechnum obtusatum var francii 観察:

2015年9月。またフランシーを見に南部に行ってきましたよと言うお話。
一度見れたから満足的な事を書いていた気がしますが、栽培していたり、お話を聞いたり、思い起こしたり、「そういえばアレは何だったのだろう」「そう言えばアレはどうだったのだろう」疑問や確認したいことが次々に湧き上がってふらふらと気づけばまた足を運んでしまうのですが、なんというか、取り憑かれたというか、すっかり魅了されてしまった感がありますね。

水中葉だからと意識していませんでしたが、考えて見れば透き通る半透明な葉のブレクナムなのです。私の心が動かないはずがない。フィルミーな植物をつくづく愛しているのですな…ホトホト愛していると言ってもイイ(ツンデレ的に言った場合褒め言葉になりそうねこれ。)
困らされるほど愛おしいというあれ。いやそれだとマゾ的だな。


Blechnum obtusatum var francii
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いろいろ気になる事を調べてきたので、それについて書いてきたいと思います。
まずは、先に予告していたので、さっそく水質についてです。

現地の水質については真面目に測定してはいなかったのですが、今回ようやく重い腰を上げて測定してきました。
現地の水を汲んで持ち帰ってきて日本で計測するのが勿論楽なのですが、まぁ当然正確な測定値を得られませんし、pH測定器と標準液三種類と純水を担いで行ってきましたよニューカレドニア。それだけで十分重たい。泣きたい。いきなり荷物の重さ20キロ近い。
校正は前日にホテルにて行いました。植物の整理をしつつpHメーター校正。新感覚で笑えます。
一応化学畑の勉強もしていたので、採水、pH測定なども十年ぐらいブランクはありますけれど、正確にできたと思います。採水器の偉大さがよく解った。泳ぎながら採水するって超めんどい。

測定は複数カ所で行っています。
と言うのも、フランシーの別産地別群落を探すことも目的だったので、フランシーを見つけるたびにその場所で測定したのです。と言っても水上で測定していますので、岸辺で採水したものと、なるべく自生地に近い深みで採水したものと二種類を測りました。
流れの強い川なので、しっかり混和されている気も致しますが、当日雨も降ったり止んだりでしたので。
更に言えば一応乾季なので、色々濃くなっている可能性もあります。雨期の終わりぐらいにもういちど行きたいものですね(ほらねまた行きたくなってる)

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川岸の水を測定。と言っても滝の傍なので流れは速い。出来る限り流れの強い表層以下から採水。

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水深二メートル、自生する脇から採水。
差があるように見えますが、うーん。どうかな。

自生地付近は地下から鉱水が湧き出ているポイントです。水温も低く、湧き出ている場所は黄色くまるで深海の噴出口のような不気味な有様。
とは言えあからさまにその周囲に生えているわけではありませんので、結局混和されている気はします。関係ないカモ。ニューカレの南部の河川の独特の風景と言うだけかな。栄養はいろいろいいモノからヤバそうなのまで含んでそうですけれど。
結論から言いますと、三パッチ程の群落を見つけましたが、7.4~8.2ぐらいの間で、中性からやや弱いアルカリ性、と言った具合の値となりました。
泥の中に突っ込んだ場合緩衝作用からか測定値は下がりましたがそれでも7.2ぐらい。ついに6の値に落ちる事はありませんでした。

自生地は超塩基性岩土壌地域を流れる川で、重金属も多く含み高いpH値を示す…と言う説通りと言えます。とはいっても、思ったより高くなくてよかった…と言ったトコロです。

栽培では、以前から述べている通り水道水で特に調節なしでも栽培できております。
栽培が上手くいっている水槽ではクリプトコリネ・キーが調子よく、ストリオラータが上手くいっていませんし、水替えを頻繁に行う程に調子が良くなっているので、成程納得のいく測定結果と言えます。
反対に酸性での栽培はどうなのか、という事になりますが、自生地がアルカリよりだからと言って酸性で栽培できないとも限らないわけで、ブラックウォーターなどで栽培されている方もいたと思いますし、それらのフランシーがどうなっているのか気になるところです…。

思うのは重金属+アルカリと言うその時点で適応力を試され、かつ急流と言う非常に厳しい条件の中で、他のライバルになるような植物の侵入を受けることなく栄華を誇ってきた植物なわけで、まぁ他の植物の侵略には弱そうな気がいたしますね。
苔に覆われないように注意が必要っぽい…
栽培水に重金属が必要とは思いません。それはあくまで障害条件であって生育には無い方がイイのではないかと。ライバルを蹴落とすには有用でも。…なんせ現地にはほかの地域ではある様な外来種のオオカナダモ的な水草すら生えていないのですから。入って来そうなものなのにです。
それはpHにも同じことが言えて、栽培にアルカリが必要なのではなく、自生地が単にそのような環境であり、その場所に適応して進化しただけで、栽培に於いてはそれほど重要な位置を占めない可能性はあります。
弱酸性だろうが中性だろうが弱アルカリだろうがなんでも育つという可能性だってあります。
これはもう、育ててみてフランシーに聞いてみる方がはやい。

水草水槽でもお上手な方は確りうまく育っているという話も聞きます。
加える事があるとすれば、今回の結果を得て砂や砂利系水槽などの中性寄りの環境でもしっかり水替えを繰り返せば育ちそうな気がするという事でしょうか。
難易度は下がった気もしますが、レイアウトにと言う意味では癖のある植物ではあるかもしれません。

ちなみにマグネシウムなどの要素は充実しているハズなので、そう言った微量要素の効果は大きいかもしれません。肥食いっぽい雰囲気もありますし、水の栄養吸収がイイのかも(水替えの効果は水質ではなくこちらか?)
こちらはあくまで仮説ですが…

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だから何だという感じですが、一応測定しましたよと言うアレ。
泥が堆積しているエリアはだいぶ下がります。超塩基性岩の大地でも、ラテライトに変性した赤土は酸性に傾くので、その辺が関係しているのかいないのか。それでも表層は高いpH値を示すあたり難しい。
ともあれ南部の植物多様性はこの土壌の多様さに由来するものも多いのです。


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だから何だその2。照度も測ってみました。9000Lxぐらい。ほんとだから何なのだろう。しかも水上だし。
ちなみにこの自生地ではここから水深2m地点の場所に生えていました。

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太陽の出ているタイミング。灼熱の太陽。

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揺れる陽射しが照らす異界の水底。
まるで地球とは思えない見た事も無い水景…と思うのは私の知識の無さゆえか? いや、知識が無いのは間違いねーんだけども。
それにしても少し驚いたのは水深2m地点にホシクサが生えていてあまつさえ花までつけいてた事。いや、絶対干上がらないだろそんなところ。水中で生えたの君…?
流石に稀で、こんな株は一株のみでした。先述の通りいまは乾季の最盛期で、岩には明らかにしばらく前まで水中にあったと思しき苔の干からびた姿が一メートルほどの高さまで見られます。
つまり水深は一メートルほども下がっているはずなのですが、それよりさらに二メートル近い水底なのでさすがに常に水中だと思います。面白事ばかりだ。

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金属か、或は隕石か。
大戦時の超兵器で地上が薙ぎ払われたときに岩が超高温により変化したものか(SF的表現)
異質な黒い岩と赤い土壌、そして蒼い河川と異質な植物群。灼熱のソラ。
これぞまさにニューカレドニアだわ…

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写真ブレててゴメン。たぶんカワモズクの仲間。
重金属溢れる川で流石に食う気にはならない(当たり前だ)
…泳ぐときも、勿論なるべく水は飲まないようにしている。

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このゼリー状の物体は何か…と言うのは気になっていたのだけれど、やはりどうも貝の卵ではない。
たぶん腐海の植物。ほら、森の中に一杯こんなのあったでしょ。
…じゃなくて、

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ただし中に何か虫がいた。その虫が出した巣か…? とも思ったけれど、たぶんこれはオオマリコケムシとかの仲間で、虫はそれに寄生しているのじゃないかと思った。思っただけ。


さて、今回も水上個体を探したのですが、一株だけ見つける事が出来ました。
ただしそれは滝の傍で滝しぶきを浴びている子。水上でのびのび育っているというより、小さく細い葉がいじけて生えているように見えました。
水面ギリギリに生えている株はありますが水上で育っていたり、ないし干からびていたりする株は一株も見つけておりません。
水上に少しでも適性があるなら、水上に個体ないし個体の枯死株でもあるはずですがそれすらも無く、水面ギリギリにはいくつか株が見られるというのは、やはり水中がメインステージであり水上には基本適応しないという事なのではないかと思います。
高湿度なら水上栽培が出来るというだけで…
この点はもっと別の産地でも確認してみたいです。環境が変われば、そう言った個体もあるのかもしれませんし。
ただ通常フランシーは完全水中型だと。
完全に水草なのだと思いました。

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さて、そうなると前回の採取で「水上形態か?」と言う疑問を持ったレトレシアちゃんの正体が気になります。
という訳で今回探して見ましたが、また見つけました。しかも別の場所で。

それは滝に近い早瀬の激流の中。
手を突っ込むと流されそうな乱流の中に、がっちり根を張って堅い葉を茂らせていました。それも結構な数。

ははーん、となりますね。
まぁ勿論、そう簡単に断言できるものではありませんが、一応今考えている仮説は、つまり、水流に適応する形態なのではないかと。
通常のフランシーは流れの中と言っても水底です。それなりに障害物も多く、流れはある程度制限されます。揺蕩っても葉が千切れない程度の水流。
けれどこのレトレシアちゃんが生えている場所はどう考えても普通のフランシーの柔らかな葉だと流れに奔流されてズタボロになってしまう…それこそ、このようにオブツサタムのように硬い葉でもない限り。

前回は水面ギリギリの流れの早い場所でしたし、そう言う事なのではないかと。
じゃあ、流れの緩やかな場所だと元に戻るのか? と言う疑問が出てきますね。

これは栽培を続けているうちにわかるでしょう。しかし今のところは元に戻ってはいません。
いずれ元に戻るのか、それともその特殊な形質を持つ株が選択的に生き残った結果なので普通の栽培環境でも元に戻らないのか…気になりますね。


そして最後にもう一つ確認したかった事。それはフランシーの現地最大株。
何処まで大きくなるの? という訳で探しました。が、ぶっちゃけそこまで大きい株は見当たりません。
今回見つけた最大の株が、
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これ。全長60㎝ぐらい。
とはいってももっとデカくなるはずなのですが…最大の特徴は20センチくらいの根茎でしょうか。
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もはやオブツサタム級。こんなに長く幹立ちするのか…
この株以外にそこまで巨大な株はありませんでしたが、水深12m地点にも生えるというので(川のどこにそんな深い場所があるのか…やはり湖なのか…)まだまだ可能性はあります。
葉は30㎝以上との事で、実際この程度なのか、もっと大きくなるのか…そう言った個体を探したいです。しかし非常にまれだということは解りました。二日探して一株。

栽培でそこまでデカくなることは不安に思わなくて良さそうですね。
むしろそこまで育てられるように一生かけて頑張るレベルカモ。


今回の成果はざっとこんな所ですかね。
まとめますと、

・pHは中性~弱アルカリ
・堅いレトレシアは激流に生える=水流適応形態?(仮説)
・根茎は20㎝ぐらいのびる事もある
・自生地三カ所ぐらい確認
・水上で悠々と生育する株は今回も無し。

と言ったトコロでしょうか。
ちなみにpHメータに水温が表示されていましたがあれも大体正確と思います。朝で20℃。昼で24℃くらい。地下から湧きだす鉱水はもっと明らかに冷たかったです。
まぁ自宅では真夏30℃になっても元気に育っていましたが。
一応現地の水温という事で参考になさってください。
ちなみにこの時期は一番寒い時期と思っていただいてよいので(夜に外に出ると寒い)、暑い時期はもっと暖かいはずです。つまり最低温度。
栽培下では20℃以下にしない…たぶん15℃以下にしなければよい、と言うあたりの参考になるかと。
最高温度はまた別問題ですので。この温度じゃないと栽培できないわけではないです。


色々なことが分かったような、また気になる事が増えたような…そんな旅行でした。
次はさらに別の環境での自生や、その12mの水深の自生地の発見、水上株のさらなる調査と、なんか他の測定(KH値が気になる、との事で)とかとか。
季節を変えた測定もしてみたいですし、単純にまた見に行きたいですし←
まだ何度か足を運ぶことになりそうです。




最後にフランシー写真をいくつか…

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by green-2-gleaner | 2015-10-11 17:42 | フランシー情報 | Comments(0)

Blechnum obtusatum var francii 2015年1月時点栽培総括

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購入していただいた方は、ぜひ遠慮なく栽培するにあたっての環境や所見を書き込んでいただければ幸いに思います。こうすれば育った。こうしたけれど枯れた。意見交換できれば幸いです。私の株でなくても歓迎です。どんどん情報をお寄せください!(と言ったところで、コメント過疎に定評のある当ブログではそもそもコメントが入るかどうか…)


それでは、当方が感じた栽培についての情報をメモ書きしていきますね。

2015/02/15…植え付け、照明の項目追加。蛍光灯でもOK?
2015/01/23…栽培雑感。写真追加
2015/01/21…増殖の項目追記


■現地での観察の様子はこちら■
2014/05/02~06ニューカレドニア南部採取 5/3
初発見。おそらく誰も見たことなどなかったはず…日本中に衝撃をもたらした?

ニューカレドニア北部~南部2014/01/03~04前編
第二回。胞子などの生態について確認したかったため。


■栽培雑感■

取り敢えず5月から栽培してみたところ、根茎のみに成り果てた株も葉っぱ三枚まで復活、委縮したままどうしようもないという事もなく、徐々にではありますが大きくなってきました。
手元に残したのは大株と、どうも売り物になりそうにないショボイ根の子株が幾つかでしたが、大株に関しても子株に関しても(うっかりどこかに流れてしまったもの、日陰に長期間置いたものを除いて)すべて復活しております。
栽培は難しい…と言うより、いつもと勝手が違うだけで、コツさえつかめば容易なのではないかと思います。
実際、ただ管理するだけならば、エアれもせず止水で砂地にさしているだけで照明はLED30w程度でも非常に状態は良好に管理でき、発根発芽も見ることはできます。そこから「生育良く」管理するためのもう一歩がほしいとは思いますが、維持管理についてはオールクリアのつもりです。
水道水で遠慮なく水替えしても葉が痛んだりとかも見られません。水替え時の水合わせも、もはや慎重にするのをやめてしまいました。
ただとかく照明が大事な気がします。あと、他の植物の陰に隠れないように注意。
これだけは十分ご注意ください。

■光量■
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自生地では開けた河川の大きな岩陰や、かなり深い水深に自生していることから薄暗くても大丈夫かも? と考えていましたが結構明るい方が栽培には適しているようです。
光量が不足するとあっという間に葉が痛み始めました。
栽培方法の問題かもしれませんが、当方ではLED30w~50wやメタルハライドランプ150wで育成しています。蛍光灯では如何なのか、栽培可能なのかはまだ確認できておりません。
個人的には、他の条件よりもここを重点的に抑えれば何となく育つ気がしています。

追記:第一回目に採取したフランシーが復活してきたので、蛍光灯照明2灯の栽培環境に移しましたところ、現在枯れる様子もなく生育しております。
とは言え成長は早いとは言えず、「蛍光灯でもよく育つ」と言えるかどうかは微妙…?
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小指の先くらいの株から復活ちう。根付けばもう少し早くなるか。


今のトコロの結論としては、『明るい方がよく育つが、蛍光灯でも栽培は可能』と言ったところですね。

■水量■

先ほどの深い水深にのみ自生していることを考えますと、浅い水深でなくとも大丈夫。

■水質■

現地は重金属系を含む水ですが、水道水にて栽培は十分可能です。pH調節も普通に弱酸性でOK。
かといってブラックウォーターみたいな酸性でどうかはわかりません。まぁその場合そもそも光量が足りないと思いますが…
ただ、現地葉はそう言った特殊な水質の中生育しているためか、非常に傷みやすいように思います。
続いて現れた新芽が非常に強そうな感触を持っているので、環境に適応して生え変わっているような気がします。クリプトの環境適応と言うよりも、あまりにも環境が違いすぎて?
落葉して丸裸になっても復活しますので簡単に諦めない様に!
全部葉が落ちてもそれでも育ってくれているのですからやはり強健種な気がしますね。
ちなみに、この場合葉は黒くボロボロになって落葉します。
ニューカレドニアの渓流シダ類は割とこのように「真っ黒になって落ちる」種類が多いように思います。重金属蓄積&排出?

だとすると生え変わった後はもう安心。元気に育つという事になります。
マングローブの塩分を葉に集めて落葉させる構造にも似ているのかも。

■流水?■

現地では淀みにはほとんど見られず、主に水の流れるエリアにて生息が確認されました。
淀みにもあるのかもしれませんが、生育しにくい何か要因があるのかもしれません。
或は、胞子からの増殖と何か関係が?
判然としないので、急流までは必要ありませんが、弱くても水流がある環境、ないし濾過の効いたきれいな水で育てた方が良いと思います。普通か…?
ただ、流れがあれば、光がまんべんなく葉に当たることになり、葉が重なることによって陰になった葉が痛むという症状は緩和できると思います。


■水温■

高水温、低水温になった時どうか? と言う事は試験しておりません。
現地では年間20℃から30℃と言った気温を維持し、まず水温は10℃を切る事は無いように思います。
現状あえて厳しい栽培に挑戦なさる人はいないと思いますが、「寒くても育ってた」「暑くても枯れなかった」と言う情報があればぜひコメント欄に記載していただければ!


■二酸化炭素■

特に添加せずにでも栽培できております。
しかし添加したほうが育ちがよい、と言う情報があればぜひ。
この辺は私などより純正の水草栽培者さんの方が強いと思います。


■植え付け■
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現地では溶岩のような金属のような奇妙な岩にがっちりと着生しており、それも相まってまた不思議な景観を作り上げております。
ぜひ再現したいところですが、生育そのものは用土植えの方が動きは早いように感じました。

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用土は赤玉土や黒土ですが、それこそソイルの方が適しているように思います。園芸用土よりもはるかに水中栽培に適しており、肥料分も含み、園芸用土より崩れにくいわけですし。
とは言え園芸用土でも大丈夫。私は素焼き鉢に溶岩石で重石と、根を抑える役割をさせ、赤玉土を詰めています。
素焼き鉢を使う理由は…まぁ鉢そのものにも根付いてくれるかな? と言う期待を込めて。たと焼き物系じゃないと沈めにくいですしね。
…詫び草? 出来るのか…?

・しかしやはり着生させたいもの。
私は国産の溶岩石に縛りくくった株も栽培していますが、決して育っていないわけではありません。
単に根回りに肥料分が少なくなるため生育が遅いだけで、生育に問題はないのかもしれません。
流木に根づている株は現地では見ておりませんが、根づくのかな…この辺も報告を期待したいところです。
「どれほどの活着性能があるのか!?」
割と期待のポイントですね。

追記:2015/2/15溶岩石植え実施ちう。
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川石植え、溶岩石植え、直植え、流木植えなど試しております。
一月ほど経つ株もありますが至って順調。弱る様子も見えませんので、このまま実験を続けます。
根が動いている株も多いので、このまま活着してくれれば言う事はないのですが…

あちこちにある溶岩石と自然石、素焼き鉢に大磯砂、どこかで胞子が勝手に芽吹いてくれればいう事ないのですが…その辺も楽しみです。ミクロなどはフィルターに前葉体が着くこともあるそうなので人工物も侮りがたいですね。(そういえば昔ミクロの水槽でガラス面に前葉体が着いているのを見たことがありました)


■肥料分■

まだ判然としない所です。
しかし用土に植えて動きが良くなったことから、用土の肥料分あたりはやはり有用なのだと思います。
かといって多肥にする必要があるかどうかはわかりません。
水替えによる水道水内の肥料交換や、一年ぐらいでの用土の入れ替え(容易そう…)ぐらいで十分じゃないかと思います。これはあくまで予想ですが。水草系肥料を入れた時の結果も考えたい。オブツサタムの方は割と肥食いだし。生育速度にプラスできる要素はちょっと考慮しておきたいね…


■食害■

一応ミナミヌマエビやカワニナ、イシマキガイなど投入しておりますが食われて新芽がなくなった、という事もなさそう。新芽に乗っかっているときはひやひやしましたが。
ヤマトや魚類ではわかりませんが、そもそも試したくないですね…

・ヤマトでも現在問題ないようです。強い…
追記:ヤマト投入しております。特に食害などは見られません。カワニナやイシマキガイも入っていますが問題はなさそうです。

■増殖■
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恐らく大注目の項目だと思います。
まず2015年の観察で胞子葉が見事水中にて確認できました。それも水深二メートルほどの地点。ほぼ川底と言える環境です。
このことから、「水上に葉を上げて胞子葉を作り、胞子をばら撒く」と言う予想は、そういう生態も持っていないとも限りませんが、それだけではないことが証明されました。
即ち、
「水中で水中葉のまま胞子葉をつけ、胞子をばら撒き、増殖する」
と言う、完全に水中にて生活環が閉じている可能性が非常に高まったという事です。
ちなみに、「水中では胞子葉はつけるが胞子はばら撒かず、やっぱり陸上の胞子葉だけが胞子をばら撒ける」と言う可能性はと言うと、完全には否定できないのですが、水中にある胞子葉はしっかりと反り返っておりました。
乾燥で反り返って胞子をばら撒くのでなく、水中で、やっぱり反り返っている。…胞子、ばら撒いてるんじゃないの?
ちなみに若い胞子葉は反り返っておりません。
…期待、持てるでしょ?

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そして前葉体もかなり深い川底付近で、前葉体からの子葉の萌芽も、水中で確認できております。
以上のことから、「陸上形態を持つことなく、完全に水中内で生活を完結できる」と考えております。

※ただし、それとは別に水上形態を持っているという可能性はやはりあります。水陸両用かも?
これはまた調査しに行きたいものです。或は栽培にて、水上栽培ができれば…

また、栄養繁殖に関してもある程度期待は持てます。
単純な株分かれを見ても、大株となれば複数の生長点を持つ株は多く見られますので、上手く分けることも可能になってくると思います。根茎の長さが二、三センチで、十分二つの生長点を持つ株が現れるので、長く育て上手く切り分けることで増やすことは解りやすくて容易かと。

それとはまた別に、大株では長く伸びた根から子株ができているような形状が複数見られます。
d0187020_2123189.jpg

…ような、と言うのはこれまた通常のシダで見られる「根から子株ができている」姿とはちょっと異なる特異な付き方をしているからで、じっくり観察して報告したいと思いますが、そう言った「子株を吹く」系の栄養繁殖も大株では期待が持てるようなので、株分けよりもこの辺を狙う方が株へのダメージは少ないかもしれません。
今回大株を入手された方は是非そのあたり狙ってみていただけると幸いです。


■そのほか■

良く質問をお受けしますので、記載することにいたします。

私は水中葉しか確認できておりませんが、もう一人採取しておられる方は、また特異な姿のフランシーを採取しておりますね。
実物は見ておりませんが、出品株や購入された方のブログなどを拝見すると、一見オブツサタムのような外見でありながらやはりオブツサタムとはまた少し異なる不思議な姿をしているように思います。
そもそもオブツサタムは水中では数年育てていても綺麗な葉を出しておりませんでした。なのであのような綺麗な水中葉を出している以上、普通のオブツサタムでも無いようにも思うのです。
海外のサイトではこれまたオブツサタムのような葉が水上に顔を出している写真をフランシーとして掲載しておりますし、フランシーにそう言った水上形態があっても何らおかしくはありません。
或は日照、水の流れ、などなど、環境による変化により姿を変えるのかも。
根も私の見たフランシーとは異なっているので、生えている場所、生え方なども関係あるかもしれません。これはあくまで想像なので全然間違っているかもしれませんが…なので、あれはフランシーなのか? と言う質問をよく受けるので、ここではっきり申し上げておきたいのですが、「そういう形態があっても不思議ではない」という事になります。断言できずに申し訳ないです。
しかし何のどういう形態なのか、という事ははっきりとお答えできません。
だが、だからこそ面白い、と言えます。

生息地は現在一つの水系と、…情報として少し離れた水系でもう一か所、把握しております。
そうなるとまた別の水系で生息していることもあるかもしれませんし、そうした場所で採取されたものはまた姿が異なっている株があるのかもしれません。
環境によるものか、はたまた個性か。

今回私が見つけた、浅い水深にのみ生えていた小さく縮んだようなフランシーのこともあります。
最も浅いエリアにのみ生育していたため、あれが水上葉か? とも考えましたが、流石に三形も形状を持つのは不思議すぎる。けれどむしろもっと姿が変わるのだと考えると…環境によって姿をいろいろ変えるのかも、と考えた方が良いのかもしれません。
完全に固定しているようなら、いずれかがそもそも別の新しい種類かも知れませんしね。
新しいvar水中形態が増えたとしても、別に不思議でも何でもないのです。

ニューカレドニアは殆ど調査が進んでいないため、いろいろな可能性が考えられます。
フランシーについてもわからない事ばかりで、これから何度も調査を重ねたり、購入していただいた方々に栽培報告をいただいたりで、詳しく調べてまいりたいと思っています。
栽培方法によってはいずれかの姿に突然化けたり、
全然違う姿になったり、
或は全く変わらなかったりするかもしれません。
もしかすると今はまだ想像を絶するあっと驚くような結論に辿り着くこともあるかも…
なので、慎重に考察を進めていきたいですね。


たぶん、この性質の水中シダは世界中探しても類を見ない奇妙なものではないかと考えています。
まだ世界の水草マニアでさえその存在すら知らないような植物です。
…そのような植物と係る事ができ、かつそれを手探りで模索し、文献を紐解き、考察し答えを探すことができる。
そんな面白い栽培の、そしてまだ未知が残る植物に光を当てる黎明と言うべき時間がこれから始まろうとしています。
どんな結果が出るかはわかりませんが、未だ知られていない何らかの事実が浮上したりすれば…
それこそ、採取家、趣味家、愛好家…プラントハンター冥利に尽きるというものです。
植物の生態の解明もそうですが、この植物を増やし、栽培方法を確立し、自家生産できるようにし、採取ではなくボルビティスやミクロの様に、各栽培者の水槽内で増殖し循環させられるようになれば…。
そしてそれが、まだその存在すら知られていない世界にも広がっていけば。

これがその、世界で最初の先駆となるというのなら。
ここが、私達が、
誰よりも前に立ち、未知を切り開けるというのなら。

それもまた、とてもとても素晴らしいことと思っています。
私ではなく、それを今手に持つ誰かが、”やらかしてくれるかも”しれないのです。
ブッ飛んだ真実に至るかもしれないのです。



楽しい栽培の幕開けです。
それでは皆さん思いっきり、植物栽培を味わってくださいませ!
by green-2-gleaner | 2015-02-15 14:56 | フランシー情報 | Comments(4)


あの日見たシダの名前を僕達はまだ知らない。


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水生植物、渓流植物、高山植物。
シダ植物コケ植物、草本木本、綺麗な花も不気味な花も、美しい葉も奇妙な葉も、根も葉もない植物も、とにかく変なものなら何でも好きです。
主にコケシノブ科植物を探す中、気になった植物を見つけては一緒に持ち帰り栽培しています。

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