もっとマングローブ栽培

以前の記事。
http://kokeshino.exblog.jp/16734754

http://kokeshino.exblog.jp/16065188

なんだか大昔の記事がいまだに閲覧いただいているようなので、追記です。


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ちらっ。

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大きいので全体が写りませんが…

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懐かしのマングローブ植物。ランカウイのホウガンヒルギであります。
2012年7月の採取から、ちょうど3年といったところでしょうか。
基本的には植え替えなし。いまだに三年前の鉢に植わっております。

ずいぶん大きくなりましたが、これはホウガンヒルギの性質で最初に一気に成長してある程度の大きさになったら普通の生育にシフトするというもの。最初の一年ぐらいでここまでずどんと大きくなった後はそう背丈は変わっておりません。
潮の影響を受け擾乱される環境に於いて、一刻も早く根を張り背丈を張って安定しようという生存戦略。かっちょいい。
写真ではまだ種の欠片が残っていますが、実のところいじったら取れてしまうはず。
もう一株植えていたほうのはすぐに取れてしまいましたから。

というわけで、三年維持しました。
それを踏まえて前回のおさらいとちょっとした新たな情報を並べていきましょう。
マングローブ栽培について。


①日照やっぱり大事!

ホウガンヒルギはずっとメタハラ直下かつ、周囲に巨大な植物が存在しない状態で栽培してきましたが、ほかのヒルギたちはワーディアンケースなどでメタハラ栽培をしていました。
メタハラ250wがあればまぁまぁ問題なく育つことはわかりました…が、罠が一つここに。
ワーディアンケースなどだと十分な広さがあり、メタハラも照射しやすく、温度も湿度も保て最適なのですが、植物好きたるものワーディアンケースを与えられてマングローブの種だけおとなしく栽培してるわけがない。
リコポディウムをつるしてみたり、ドリナリアをつるしてみたり、メディニラを下垂させたり、ありだまをぶら下げたり…そうしていると、最初は置き場所に気を付けて影にならないようにしているわけですが、ちょっとした油断で、影ができてしまうとだめになりやすいです。
うっかりぶら下げる位置を変えて、ヒルギを陰にして気づかず一か月…なーんてしてしまうと、おしまい。私の場合販売なんかやってしまうとどうしても植物が多くなりすぎ、知らず知らず、光が暗くなってしまい…なんてこともあり、いくつも枯らしてしまいました。

というか、ヒルギの胎生種子。枯らす原因はほとんどこれでした…つまるところ。

ワーディアンケースにせよ、
ラックにビニールをかぶせただけの簡易温室にせよ、
メタハラを導入して遠慮なく照射すれば、栽培環境としては十分通用するようで。
かつ、マングローブなんか高温になろうがへっちゃらなので、夏場の最盛期もちょっと隙間を開けて蒸れ対策をすれば十分ぐらいで、室内にそうした設備を置けるのであれば十分現実的に楽しめそうです。
ただし、「せっかくだから上にいろいろ吊るそう♪」とか色気を出すと失敗率が上がりますよという教え。
だって折角メタハラ焚いているんだしいろいろついでに栽培したいじゃん! と思いますが、ぐっとこらえると吉かもしれません。
できたらメインの種の上には何もないほうがいい。ヒルギ、ホウガンヒルギ、木は、なおさらに。

…ただし我慢できるわけがないので、周囲につるすときは最小限に(爆)
いやホント。
満足な栽培スペースがない状態で、一等地をマングローブ単品に独占させるとか鉄の自制心がないとやってられんということが身にしみてわかりました…。私の栽培環境を見ればもう一目瞭然ですな(笑) 全然我慢できてない。その代り、メタハラ250wの直下光はこいつだけのもの。この株一株のためにメタハラ一基です。
あるいは添えるならマングローブより背丈が低い子ならいい感じかな。

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長い水槽に、鉢を沈めて管理ちう。
ミミモチシダなんか相性はやっぱりいい。日陰になっても大丈夫だしね。
種も入れていますが影にならないよう絶対的に注意が必要…

マングローブを栽培したいなら、あくまでマングローブをメインとして大切にすること。
大きくなれば、簡易温室やワーディアンケース一台につき一株から二株になってしまうことも想定しつつ。
メタハラ一基の輝きはすべてマングローブのために与えるように。

たくさんいろんな種類を育てようというよりは、一本の木を大事にしようというイメージが近そう。
太陽と暑さと水が大好きな熱帯樹木。盆栽のように一鉢一鉢手塩にかけたい。



② 植えつけ。

やっぱり、最初から大きな鉢に植えたほうがいい。
植え替えはことごとく失敗しました。ホウガンヒルギは最初に三株、このプランターに植えていましたが成長が著しく、一番成長の弱い株が日陰になって枯れたところで、二番手の株の植え替えを決意しました。

そんなこともあろかと!

植え替え容易な砂地植えにしていたのです。狙い通り、やさしく掘り起こせばさらさらと砂は崩れ、ほぼ根を痛めることなくするりと引き抜くことができましたが、植えつけた苗は成長が止まりました。なんたる。
しかしこの件に関してはすでに以前の栽培方法でも述べています。
植え替えは鬼門なので、できる限り植え替えをしないように。
する場合は、鉢ごと引き抜いて根鉢を崩さずそのまま移植できるようにすることと。
やはりこれは鉄則のようです。砂なら何とか、というのも、うまくやればできるのかもしれませんが、容易ではないようです。
 
植えつけたほうがいい。花瓶差しで水飲みの栽培も、植え付けの段になってかなりの確率で枯らしてしまいかねません。本気で栽培されるならさけたほうがよいと思われます。後でそっと植えつければいいやと思っていましたが…

③肥料ってどうするべ?

砂地植で肥料も何もあったものではありませんが、心配無用。水替えを怠らなければ水道水に含まれる肥料分で十分賄えます。液肥とかも特に投入していません。
別に猛烈に肥料を求めるわけでもありませんが、水替えをさぼりすぎていたころ、葉が黄色くなりましたのでやはり反応はあるよう。
最近は水槽内もにぎやかになり、クリプトコリネが何種か繁茂しておりそちらの肥料分の反応のほうが顕著なので、彼らが肥料切れを起こさない程度にみはっていればホウガンヒルギのほうは特に不平不満も漏らさずにこにこしててくれるようです。


④参った害虫

カイガラムシが付きました。何が厄介って、水槽の中にはエビがいる。

やむなく鉢を外にだし、歯ブラシやティッシュでカイガラムシを防除。それでもしつこい場合はカイガラムシの薬(ホームセンターでのスプレータイプなど)で対処しました。特に植物にダメージはありませんが、その辺の薬品は水毒性があるに決まっているので、薬をかけてしばらくしたらしっかり葉をぬぐって薬液が落ちないように注意しました。できれば手で取るのが一番ですけれど、新芽の先に潜り込まれると困る。
カイガラムシに気づかず直下のミミモチシダの葉が糞による煤病でべったりになったら目も当てられません。早めに対処しましょう。



⑤剪定

…は、まだ書けるほど情報はたまっていませんが。
やはり暖かさを好むので、冬場は成長が止まっていますし、最近一気に成長してきましたし、切るにはタイミングがありそう。
ちゃんと節より上で切れば節から芽吹いてくれますし、バッサリ切っても幹が元気なら幹吹きはしてくれそう。なので大きさは一メートルと少しぐらいで維持管理はできそうです。
今年の動き次第でホウガンヒルギを切る予定なので、また新たに情報を書き込めそうです。
そんなわけで大きさは気にしないで大丈夫でしょう。簡易温室、ワーディアンケースに収める剪定は可能な気がしています。室内があたたかければ室内栽培もできるのかなぁ。そちらはもう実験していないので。温度をいかに維持できるかにすべてがかかっている…


⑥良い根はでたかい?

…ぼくたちの戦いはまだ始まったばかりだ…!←

とはいえ、ホウガンヒルギはなかなか根が動いてくれていて楽しいです。
自生地では暴れる支柱根タイプ。栽培では勢いがまだまだ。髭みたいな根がのたうつのみです。
胎生種子よりは早期に楽しめる気がします。入手が容易ではないけれどな…
この水槽はもとよりこのホウガンヒルギのためにささげる環境なので、この水槽一面に暴れてくれてもいいんだぜ…? と語りかけつつ、実際暴れたらどうなるんだろうと戦々恐々。

支柱根関連で一回ぐらいは失敗しそうだ。




いろいろ書きすぎてなんか難しそうな感じですが、
ぶっちゃけ、
「メタハラor燦々と太陽の当たる窓辺(ただし冬場寒くなるのはNG)」
「簡易温室orワーディアンケースor何でもいいけどとにかく年中暖かい環境」
があれば栽培は容易、というのは変わらずです。


背丈は剪定をすれば室内栽培に収まりそう。
最初の植え付けの段階で大きい鉢を。
上に影になるようなものを絶対につるさないこと!
温度は20度は下回らないように。
肥料は普通に魚の飼育と同じような頻度の水替え。普通の樹木と同程度の灌水で補えそう。
害虫駆除で薬品を使ったりするので水槽内のエビや魚は注意!
うーん以前から言っていることかも。


ただ、気軽に育てられますとは、とても言えないなぁ。
栽培は容易で簡単だけれど、上記の栽培環境を用意するのが普通の人には大変だ。
「マングローブを育てるぞ!」 という熱意は最低あったほうがいいというか、ないとどこかで枯らしてしまうだろう。
温度管理、光の管理がある分、盆栽よりは難しい。
といえば難易度がわかりやすいか。
やろうとしていることの本質としては、盆栽とそう変わらないのであるが…。
ついでとか、片手間とか、手軽さとか、インテリア感覚でとか、そういう類の植物ではないなぁ…


でも、本気でやれば応えてくれる植物だということはわかった。
上にほかの植物を吊るすような浮気もせず、一度にたくさんの種類を集めようなんて色気も出さず、手元にある少数の選び抜いた株を万全の環境で本気で向き合えばいいのだ。成程、販売者としては相当な力がないと難しいが、マングローブを専門で愛するならば十分実現可能な範疇。一株一株しっかり愛して、ぎうぎうに詰め込まずその株に必要な面積をしっかり確保して、面倒を見てあげられるなら。

…なんだ、
そんなの、当たり前のことじゃないか。

当たり前のことを当たり前にするのが、いかに難しいか。ちゅーことかもしれんね。
屋外にビニールハウスを建てて年中20度キープ。バンダが楽々育つ環境なんて趣味家の夢みたいな環境を用意しなくていいそれほどではないというのは助かるけれど、マングローブを万全の環境で育ててあげちゃう人ならば、いつかそのくらいのことは実現しそうではあるけれど。
そんなこんなで、役に立つような立たないようなよくわからない文字の羅列は今日はここまで。
参考になってんのかなってないのか…

「簡単、だけど難しい」が伝わっているとうれしい。
どこが簡単なんだよ…、って思う人は多そうだ。でも、本気でそれだけをやりたい人には伝わるはず。私はマングローブ一筋にはなり切れないので、数種を大事にするにとどめようと思うけれど。
マンション暮らしでも、ワーディアンケースを三台ほど並べてメタハラを一基ずつ三基ぶら下げたら、温度は年中常夏だろうし、それなりに種類をそろえられる気もする…クーラー常時稼働必要とかに比べたらハードルは低い。比べるものが間違っているかもしれないけれど。


「どう考えても不可能だろ…」⇒「何とか実現してやる!!!!」

と思っていたので、
「思い切りさえあれば今の設備で実現可能」⇒「なんだ、楽勝じゃん」とか思っている節はある。
ともあれ。
マングローブというかホウガンヒルギを説明のネタにしたそっち系植物の総合解説みたいになりましたけれど、参考になれば幸いです。





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咲くやこの花館のマングローブ植物。
心がぽっきり折れそうになるけれど、…ふんだ、上手く室内で格好良く仕立て、もっと小さい状態で根も楽しみ、育てきってやるさ! と闘志がむくむく燃え上がると同時に、
けれどもし、
室内でチマチマなんて、小細工抜きで、
この株のように、こんな風に、のびのびと、
育ててあげられたなら、
それは、どんなか幸いな事なのだろう、って…
どんなに、満ち足りたことなのだろうって…
by green-2-gleaner | 2015-07-11 00:16 | 栽培方法等 | Comments(0)


あの日見たシダの名前を僕達はまだ知らない。


by ゆう

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主にコケシノブ科植物を探す中、気になった植物を見つけては一緒に持ち帰り栽培しています。

面白い植物の記録をたくさん書いていけたらいいなぁ。

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