2014年10月31~11月4日ルソン島採取記⑥

-11/2- Nueva Vizcaya北部 山岳地帯


どんどん行きましょう。
ご覧のとおり、前回の出品では今回の採取植物の半分の種類も消化しきれていないのです。
週末には出品を再開したい。そのためにブログをまず最終日ぐらいには進めたい。


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山岳地帯を移動中。
通常の道路ではなく、舗装されていない道をひた走ります。
山の上を走る道。村人曰く「新しく出来た道」とかで、つまり人の手もまだあまり入っていないかも知れないと期待しつつ。


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窓の外を食い入るように眺めながら移動していると。お!
こ、これは! と発狂いたしますね。

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Myrmecodia tuberosa
やっぱり見つけると嬉しいなぁ。
アリノトリデ。やはり中々見つかりません。
五メートルぐらいの枝を切りだして、重い竿でよたよたしつつ、
突きつつき、
長い時間をかけて少しだけ叩き落とすことに成功しました。
木にへばりついて、棹の長さに腕の長さを足して、何とかギリギリ…と言う位置にある株を、太陽に炙られながらつっつきつっつき。
アリダマだけを一心に見上げて夢中になっているわけですが、その間、さおがアリダマに触れてぐらぐらするたびに、顔面に何か大量に土か木の粉のようなものが降りかかってきます。


アリです。


あちこち噛まれて痛いし痒いけれど、そんな事より、あと少し、あと少しなんだ! としか頭にない(笑)
まぁ、イラガが大量に蠢いているクスノキの木に登って剪定する事に比べたら何という事もありませんな。あれは全身刺されて発狂しそうになるぐらい痛痒い…そのまま転落してのた打ち回りたいと思うほどの代物だし…
それに比べれば、無視しようと思えば無視できる痒みなど痒みの内には入らないともいえる。

でも、やっとこさ一株採取できて、手に取って、嬉しさのあまり「やったぁ!かゆいかゆいかゆい!」と笑いながら見せたら、山の通訳さん(フィリピンの山の言葉のガイドさん日本語解らない)はちょっと引いてた気がする。
きっと気のせいだな、うん。
まぁ、前日の地獄のようなアリが全身に降りかかったら流石に同じようにはいかなかっただろうけれど。
あっちはヘタしたら毒持ちっぽいからアナフィラキシーショックで死にかねん。

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ペタペタディスキディアも付いている。最高だ。

この地点で大体標高が800mを越えている。
ヘゴも多く見られるようになり、これだよ。こういう場所を求めてたんだよとテンションが上がる。
道は悪くなる一方で、坂道で全員載っていると遅すぎる為降りて移動したりする。
しかし、楽しい。馬鹿みたいにしんどいハズだけれど、こういう苦痛は微塵も気にならない。
ペース配分も守りやすい。なんでだろうなぁ。疲れすら心地よい。
ずーっとこういうことしていたいなぁ。


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お、ネペンテス現る。
しかも道路脇で見られた!

ボルネオなどに行ったことがある方は、道路脇にネペンなんて当たり前じゃん? と思うのだろうけれど、ここフィリピンではそう言った光景はかなり少ない。と言うか、見ない。
見つかりにくい限られたエリアに見られるのみだけれど、ここでは野放図に生えていた。
とは言え、結局見つかったのはこの一角だけなんだけれど。
新しい道と言うだけあって、これだけ目立つ場所にあって無くなっていない。やはり来た甲斐があったなぁと思う。
種類は…やはりアラタなのかなぁ。
ネペンは詳しくないけれど。

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ツル性の雰囲気のあるメディニラ。
たぶんメディニラ。きっとメディニラ…まぁ、その科のどれかかと…(曖昧)

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Dipteris conjugata
ヤブレガサウラボシ。
ラッキーな事に、小さな子株がいくつかみられた。
親株になってからは採取しても根付きにくいから、これくらいの子供を大きくするのが現実的。
大株はともかく採取に都合のいい子株は見つけようと思っても見つけにくく、こればっかりは出会えるか出会えないか運なので、出会いを与えてくれた山の神様に感謝する。

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トンボソウ系の緑花地生蘭も発見。
実は個人的にこの仲間大好き。
ランは派手なもの、奇妙なもの、何かしらインパクトのあるものは、いつかどこかで入手可能だろうと思えるけれど、
こうした山野草的な趣のある種類は、国内種ならともかく海外の種類となるととかく入手が困難になる。
特徴的なものは、ほっといても誰かが輸入するだろうし、誰かが増やすだろうし、誰かが販売するだろう。
しかし、こうした渋いものは、一体誰の目に留まり、誰が輸入し、誰が増やし、誰が販売するだろうか。
少なくとも利益を出す事が頭にある限り、せめてもう少し白く鮮やかだったり、大きな花でもないとそもそも目に留まる事すらない気がする。
だから私が居る。だから私が持ち帰る。…その余地があり、意味がある。
地味な植物と言う言い方が悪いなら、渋い植物と言い換えよう。
更に言い換えるなら、「熱帯性山野草」とでも名付けようか。
派手でなく、奇妙でなく、海外の山野にひっそりと佇むありのままの植物達。
スターじゃない、アイドルでもない。むしろ現地で出会って嬉しいのは、その国らしい特色を備えた、自国の見慣れた姿とは少しだけ異なるその土地に生きるヒトビト。
日本の山野草がどこか日本人らしさを感じる姿な様に。
海外の山野草もまた、その姿からその土地の風土を感じさせるような…。

とか、なんとか。

ところで、この蘭。実は球根だったのでもしかしたらトンボソウではないかも知れない。
ハベナリアの仲間? 他にもいろいろあるからなぁ…
花の形もちょっとかわいくて、いい。

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ううむ。。。いろいろ見れて大変満足。

とは言え、コケシノブはまだ出てこない。
ちょうどいい谷が見つからず、さらに車を走らせます。
ですが。
…ガゴン。ゴン。と、猛烈な音が車体下部から響く。
背筋が凍りそうな衝撃。ゴリゴリゴリゴリ、と削りながら。一度や二度ではない。そもそも村の手前などでスピードを抑えるための段差ですら、車体以上の高さがあって乗り上げる。
通常このエリアを走行する車の車高はもっと高いのだと言いたげに。
轍で、岩で、草むらで、どころか、わずか数十メートルだけの舗装道路と地道の境目でさえ、ガンガン叩きつけられる車。
余りの悪路に、真っ青。
車内はピリピリとした緊張に包まれて。
そのうち明らかな異音が響き出して。
変な地面を擦る音が聞こえてきたり。もう恐怖。

外を見る余裕、無くなる(爆)

いや、勿体ないんだけれども!
余りの道路の悪路バッドさにもう気力が尽きて早く…早くまともな道へ…と祈るばかりであります。


数時間は、恐怖の時間が続きます。
…さすがに、イロイロポイントをスルーしてしまったので、何か見ないとまずいと思い、気になる所で止めてもらう。

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道路脇にある山の斜面に生え、大きく下垂するメディニラ。
イメージとしては、上部にコシダ群落。普段なら泥が裸出しているような壁面に植物が群生していて、その中に紛れている感じ。ミズスギとか生えている感じだね。
標高は900m以上。涼しくなり、コケも増え、雰囲気は雲霧林に近くなりますが、風通しが良いです。

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奇妙すぎる。
奇妙すぎる…

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気になって撮影しておいた。ディスキディアが付いていました。

そして、やや斜面を下りて森に分け入ってみる。

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こういう着生ラン、かなり好き…持ち帰らず。

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地を這う我々を睥睨する天空の覇者。
凄いぞ、ラピュタは本当にあったんだ!

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赤い新芽のビッタリア。くるっと巻いて可愛い。

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これ、実はマラクシスの花。
株の写真は消えてしまったけれど花だけ残っていた(笑)
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こんな株です。皺皺葉が良いんだ…

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巨大な樹木に巻き付くように、ツル性の竹が絡みついている。
もう何が何だかわからなくなっているそこに、実はコチョウランがたくさんついているんだけれど、見えるだろうか?
写真で撮影しても何が何だかわからないそれを、現地の人は目で見つけて教えてくれる。
高所の植物を見つける目はまだまだ私は未熟でして、鍛えていきたいと思っている。
けれど、日本で生きている限り眼は悪くなる一方な気がするな…(遠い目)←近眼気味だけど

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これなー・・・難しいんだなあー…
Cissus discolorとかの原種っぽくはあるんだが…

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Begonia sp TYPE4
相変わらず模様無しばっかり引き当てる俺のセンスはもうちっとどうにかならないモノか?
しかし毛が生え、渋い色合いが何とも格好いいと思う。
自分好みの植物にばかり出逢えるのは、これは引きが良いと言っていいのか?

コケシノブログらしい植物を、引き寄せているのかなぁ。

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細葉アスプレニウム。
バードネストタイプもこういうのは格好いいよね。

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すだれのように、Haplopteris scolopendrina
アマモシシラン系のビッタリアの仲間だけれど、折角違う属が当てられていたのでそちらを使ってみる。
やたら幅広で、細葉系ではないけれどだからこそ重厚で格好いい。
長く伸びるのは同じなので、やはり何かに着生させ枝垂れさせたい。

ビッタリアって格好いいんだよ。
リコポ系の魅力は間違いなくある。
かつ、リコポと違って採取ぐらいじゃなければ入手できないし、採取でもまた、運が良くないと手に入らない。
非常に高所に着生していることが多く、落下している株や倒木などから採取するしかないからだ。
これこそ、採取株を手に入れ育てるしかない系のシダだと思う。
生長も遅く、増やすのも困難だし。
良いと思うんだが…


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それは置いといて、


更に進みます。
車の先を歩き、危険そうな岩をどけつつ進行。
本当にこの先進めるのか不安になりつつそれでも前進し続ける。未来に向かって。この先が、より良い「道」に繋がっていると信じて…
ぶっちゃけここから後退するなんてそれこそゾッとする話だからネ←

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超テンション上がる。

が。

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ヤバい…今気づいたけれど、ここ物凄く面白そうだ…!
実はおなかも空いて、悪路に疲れ、しかも道が川を渡る道でどうしようもなく、途方に暮れている所。
橋を渡って遊んだりしていても、心にちょっと余裕がなかった。
面白い水草生えてそうじゃんここ…歩いて遡ったら人の手が入っていないエリアにも行けそうだし、
うわぁぁあああああ~~~~~しくじったぁぁぁぁぁぁああああ~~~~~orz
アミも持ってるんだし遊べばよかったよぉ。
心に余裕がないってのはいかんね。
この辺やっぱり小心者なんだろうなぁ俺ってば。
橋の上から見下ろして、水草らしきものが無いからすぐ戻っちゃったんだ。
クリプトがあったかどうかはともかく、こういう場所はちゃんと探索しないとなぁ。
いかんいかん。…まぁ、頭がコケシノブ狙いだったからってのもあるだろうけれど。

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Goniophlebium subauriculatum
ため息が出るほど美しい。
太陽の下、なんて色鮮やかなんだろう。
風に揺れる。木陰の下。

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ホイキロスペルマム。凄い着生。
ここまでくるとアリも中に巣くう。


更に標高をあげて別の場所。
ここいら一体になると、1000mを越えている。

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Argostemma sp

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Begonia sp TYPE5
艶葉。
まだまだ出てくるベゴニア。



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なんとか、陽が暮れる前に脱出。


もう少し車高の高い車ならなんともなかったのだろうけれど、
ちょっと…戻れないかと思った。
普通の道に戻っても、車は異音を発しているし、どっかで燃えちゃうんじゃないかと思ったよ。そしてさり気に萌えちゃうって誤変換するなPCコノヤロウ。
雨が降ってたらヤバかったね…
天気には恵まれていた今回。前回前々回と雨に降られていたので、この快晴は嬉しい。空を眺める心の余裕はあまりなかったけれど、
写真に写る空は、何とも鮮やかだね。
…うん。良かった。

何とかSanta Feに戻る事が出来ました。
翌日は山を下りるのと植物の整理洗浄があるので、散策は最終日。
半日ほど森に入り、マニラへと引き返します。
もしかしてだけど。
…もしかしてだけど。
今回コケシノブ、見れないんじゃ(ry
by green-2-gleaner | 2014-11-22 00:31 | Comments(0)


あの日見たシダの名前を僕達はまだ知らない。


by ゆう

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世界中の不思議な植物に興味があります。
着生植物、多肉植物。
水生植物、渓流植物、高山植物。
シダ植物コケ植物、草本木本、綺麗な花も不気味な花も、美しい葉も奇妙な葉も、根も葉もない植物も、とにかく変なものなら何でも好きです。
主にコケシノブ科植物を探す中、気になった植物を見つけては一緒に持ち帰り栽培しています。

面白い植物の記録をたくさん書いていけたらいいなぁ。

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多種を少量採取するスタンスのため、お応えできるかどうかはわかりませんが…

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