人気ブログランキング | 話題のタグを見る

Austrogramme sp

Austrogramme sp
Austrogramme sp_d0187020_15512354.jpg
Austrogramme sp_d0187020_15513895.jpg


2010年8月と11月に採取。
ニューカレドニアには三種のAustrogrammeが確認されています。検索表を引っ張ると、
二種は単葉。一種は単羽状複葉となりますので、必然的にAustrogramme decipiensとなります。
葉の先に無性芽をつけるなど、特徴も合致します。
胞子の付き方から属が間違っていると言う事もないのですが…当の資料の線画がなんだか微妙なのでsp扱いです。
恐らく間違いはないでしょうけど…一応。

見た目はアスプレに似ていますが実はイノモトソウ科。
それだけでも意外で面白いのに、この種自体も非常に面白い特性を備えています。

Austrogramme sp_d0187020_1621551.jpg

まずこれが大多数を占める葉です。
中軸が窪んでいて黒く染まっているのもポイントが高いですね。
しかし大株を見るとそんな葉に混じって、
Austrogramme sp_d0187020_1624694.jpg

こんな葉が付いています。

Austrogramme sp_d0187020_1643919.jpg

並べてみれば一目瞭然…羽片の一部が変形いたします。
コレは奇形ではなく、大株になると自然にそうなるようです。
羽片が変化した葉が優先する株は、また違った雰囲気を纏っていて格好いいです。

ちなみに、胞子葉とかではありません、
どちらも胞子の付く親株になります。
そして驚くのはまだ早いのです…

Austrogramme sp_d0187020_168041.jpg

これが「最終形態(笑)」
三段変形です。
Austrogramme sp_d0187020_1684512.jpg

複数株採取してきてもこのような葉は殆ど見当たりません。
資料に従うならこれが完成形なのでしょう。

…これが二回羽状複葉に変形したら更に楽しいのですけど流石にそれはありえないでしょうね…(爆)

こんな面白い葉の変形を見せてくれる上に葉先に子株を付け、かつ斜面では下垂し、地上ではロゼット状の株姿になると言う、とんでもないハイスペックなシダであります。

Austrogramme sp_d0187020_16134794.jpg


自生地はこのような環境です。
パニエ山系の渓流を、海抜0mから登っていくと森に入った辺りで沢山の個体数が見られ、森が深くなるに連れて徐々に個体数が減っていきます。
また、タオの滝や他の渓流沿いでは殆ど見られませんでした。

Austrogramme sp_d0187020_16224680.jpg
Austrogramme sp_d0187020_1623369.jpg
Austrogramme sp_d0187020_1623174.jpg


基本的には岩生。渓流沿いや渓流の中の岩上に多く見られます。地面にも稀に生えますが、増水時には完全に水没してしまい、流されるのかそれほど多くはありません。
また、渓流の土手の上部には生えません。完全な渓流植物のようです。
アスプレニウムやホングウシダ、オニホラゴケの仲間などと一緒に生えています。
環境さえ合えば、増殖力や成長力はかなりたいした物と思われます。
ただ夏の暑さにだけは注意した方がよさそうです。
by green-2-gleaner | 2010-12-14 16:30


あの日見たシダの名前を僕達はまだ知らない。


by ゆう

カテゴリ

まえがき
採取記録(旅の記録はこちらから)
コケシノブ科一覧
渓流植物
水生植物
着生植物
乾燥地の植物
シダ植物
フランシー情報
栽培方法等
New Caledonia採取植物リスト

検索

最新の記事

Crepidomanes k..
at 2024-03-28 03:04
Hymenophyllum ..
at 2024-03-28 02:43
Hymenophyllum ..
at 2024-03-25 23:02
Blechnum obtus..
at 2023-11-03 13:43
10/21-22天下一植物界..
at 2023-10-20 06:51

KokeShinoBu-log

フォロー中のブログ

LIFE+aq→
A.P.A
RAIN FOREST
雑草好きのブログ
アクア爺
しだ撮り歩き

その他のジャンル

ブログパーツ

外部リンク

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

自然・生物
旅行家・冒険家

画像一覧